定期接種となったばかりの子宮頸がんワクチン。その有効性と危険性とは
子宮頸がんとは
子宮頸がんのワクチンに関するニュースが、
最近多くなっていますよね。
子宮頸がんとは、どんな病気でしょう?
子宮頸がんは、子宮下部の管状になっている部分に
できるがんのことです。
子宮がん全体の約70%前後を占めています。
子宮頸がんの原因は、性交渉によるウイルス感染です。
子宮頸がんの原因ウイルスであるヒトパピローマウイルスは
現在約300種類が確認されていますが、
子宮頸がんの原因となるのは、
このうち15種類と言われています。
子宮頸がんは、年間に1万人から1万5千人が発症し、
約3500人が死亡している病気で、
30代後半に発症する人が最も多いのですが、
20代でも発症する人もいるなど、
発症の低年齢化が進んでいます。
子宮頸がんワクチンの定期化
この子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスに
感染することが原因ですので、
ワクチン接種での予防が可能です。
外国では子宮頸がんワクチンの接種は、
以前から普及していて、義務化されている国もありましたが
日本では2009年12月に承認されて接種が可能となり、
2013年4月からは原則無料で受けられる
「定期接種」となりました。
子宮頸がんのワクチンは、がん化する15種類全ての
ヒトパピローマウイルスに効くわけではなく、
16型と18型の2種類にのみ予防効果があるものですが、
それでも子宮頸がんの70%は予防可能と言われています。
副作用の問題の急浮上
2013年4月から定期接種となった子宮頸がんワクチンですが
厚生労働省は6月14日に一時的に接種の推奨を控える方針を
決定しました。
定期接種の「推奨を控える」というのは、異例のことです。
この理由は、重大な副作用が明らかになってきたためです。
今までも、接種部位の発赤や発熱、
アナフィラキシーなど一般的な予防接種と同様の副作用は
報告されていましたが、最近になって、
体の慢性的な痛みや歩行障害など、
原因不明で重い副作用が報告され始めたのです。
このような流れを受けて、日本産科婦人科科学会は、
厚生労働省の決定に「妥当」と野考えを示し、
独自にワクチンと副作用(健康被害)の因果関係を
調査することを決めています。
また、
ワクチン接種を一時的に見合わせる自治体も出てきており、
地方自治体の中では混乱が広がっています。
医療者からは、ワクチンの有効性を訴える声あり
現在のところ、子宮頸がんワクチンの危険性
ばかりが取り上げられているため、
ワクチン接種を止める人も多いと思いますが、
医療者からは、子宮頸がん予防の観点から、
ワクチン接種の有効性を訴える声も上がっています。
しかし、原因不明の副作用が出ることや、
厚生労働省が接種の推奨を控える決定をしたのは事実です。
「子宮頸がんになるリスク」と
「ワクチン接種によるリスク」を考えて、
自分で接種すべきかどうかを決めなくてはいけません。
子宮頸がんワクチンの接種は、
小学6年生から高校1年生までの女子が対象ですが、
その年齢のお子さんをお持ちで、接種を迷っている方は、
地域の保健所や病院などで、その有効性と安全性、
危険性の説明を十分に受けてから、
ワクチン接種をするかどうかを決めると良いでしょう。