汗は身体の異常を知らせるサイン?汗の役割と汗に関係する病気を知りましょう。
汗は体温調節の役割
夏は、汗をかく季節です。
なぜ、人間は暑いと汗をかくのでしょう?
人間の体温は、37度前後で一定に保たれています。
体温が一定に保たれていることで、
身体の各器官は、正常に働くことができるのです。
でも、夏の暑い時には、
身体に熱がこもりがちになってしまいますが、
体温を一定に保つためには、
身体の熱を外部に放出させる必要があります。
熱を身体の外に放出させるために、
汗をかくのです。
つまり、汗は体温調節の役割を
担っていると言えるでしょう。
汗をかくと、臭いが気になったり、
ベトベトしたり、化粧が崩れるため、
できるだけ汗をかきたくないという人も
多いと思いますが、暑い時期に汗をかかないと、
身体の中に熱がこもってしまい、
熱中症を引き起こすので、
適度に汗をかくことは、非常に重要なのです。
多汗症とは?
体温調節に欠かせない汗ですが、汗の量が多いと、
日常生活に影響してくることもありますよね。
日常生活に影響するほど異常に汗をかく場合、
「多汗症」と診断されます。
2010年の厚生労働省の疫学調査によると、
日本人の7人に1人が多汗症で、
日常生活に何らかの支障が出ているそうです。
多汗症によって、仕事や勉強に集中できなかったり、
多量に汗をかくことを恥ずかしく思い、
対人関係に影響が出るなどの精神的苦痛が伴います。
この多汗症の治療は、
1996年より保険適用となっています。
主な治療法には、外用薬の塗布や
ボツリヌス療法などがあります。
もし、汗の量が多く、
日常生活に支障をきたしている場合は、
一度皮膚科を受診し、
治療を始めてみてはいかがでしょうか?
多汗症以外の汗に関係する病気
汗には、体温調節機能の役割がありますが、
身体の異常を知らせてくれるサインでもあります。
病気によって、汗のかき方や汗をかく部位が
異なりますので、病気の早期発見・治療に
つながるかもしれません。
まずは、全身に多量に汗をかく場合です。
これは、上記の多汗症の可能性もありますが、
甲状腺機能亢進症のケースもあります。
もし、頭痛や動悸を伴う全身の汗の場合は、
甲状腺機能亢進症を疑ってみましょう。
また、下半身は冷えているのに、
上半身のみ汗をかく場合は、
更年期障害かもしれません。
いわゆる「ホットフラッシュ」という現象ですね。
更年期障害の汗は、
運動でかいたサラッとした汗とは違い、
ベトベトしているのが特徴です。
顔や手にだけ大量に汗をかくという場合は、
自律神経が乱れていることが原因と考えられます。
自律神経の乱れの根本的な原因に、
うつ病などの精神疾患が隠れている場合が多いですので
抑うつ症状や睡眠障害などうつ病特有の症状も
併発している場合は、
一度心療内科や精神科を受診してみましょう。