デング熱が全世界に拡大中!日本でデング熱に感染するリスクはあるの?
デング熱が全世界に拡大中!
現在、地球温暖化が大きな社会問題になっていますよね。
地球温暖化が進めば、北極や南極の氷が溶け出し、
海水面が上昇して低地が水没するだけでなく、
感染症にも大きな影響を及ぼします。
デング熱というと、東南アジアやインド、
アフリカなど熱帯の暑い国で感染する感染症
というイメージがありますよね。
でも、地球温暖化の影響で、
デング熱のウイルスを媒介するネッタイシマカや
ヒトスジシマカという蚊が熱帯だけではなく、
全世界に生息範囲を広げているんです。
WHOは、「世界の人口の40%(25億人)以上、
感染のリスクがある」と警告して、
感染拡大防止に取り組むことにしています。
では、実際にどのくらいデング熱のリスクは
増加しているのでしょう?
WHOのデータによると、デング熱は1960年代には
年間1万6000人が感染していましたが、
2011年には200万人以上に増加しています。
さらに、感染の高リスク国は
1960年代は9ヶ国だけでしたが、
現在は100ヶ国以上になっています。
蚊が媒介する感染症には、
デング熱のほかにマラリアや日本脳炎、
ウエストナイル熱などがありますが、
デング熱が急速に世界中に拡大している
とのことです。
日本でデング熱に感染する可能性は?
世界で急速に感染拡大しているデング熱ですが、
日本で感染する可能性はあるのでしょうか?
現在のところ、
日本ではデング熱の感染は確認されていません。
日本人のデング熱患者は、
東南アジアなどに旅行に行って、現地で感染し、
日本で発症したケースのみです。
デング熱は人から人へ直接は感染しませんので、
現時点では日本でのデング熱感染はない
と言って良いでしょう。
ただ、デング熱のウイルスを媒介する蚊が
日本にいれば話は別です。
海外でデング熱に感染する人が
ドンドン増加しています。
これは、デング熱が
全世界に広がっていることもひとつの原因ですが、
昔に比べて海外旅行に行く人が増えたことも
原因のひとつです。
海外旅行に行く人が増えたということは、
それだけデング熱の感染リスクがある国との
日本で飛行機が多数往来しているということです。
飛行機に乗って、デング熱を媒介する蚊が
日本にやってくる可能性は十分に考えられます。
そうすると、
日本でもデング熱に感染するリスクが出てきますよね。
2013年には日本を旅行していたドイツ人女性が
帰国後にデング熱を発症し、
日本で感染した疑いも出ていますので、
デング熱は熱帯特有の感染症という認識は
改めたほうが良さそうです。
デング熱を予防するためには?
デング熱は2~7日程度の潜伏期間を経た後、
38~40℃の高熱や頭痛、悪寒、
筋肉痛などの症状が現れますが、
通常は1週間程度で回復に向かいます。
ただ、出血を伴う重症のデング出血熱に移行すると、
消化管出血など全身から出血し、
適切な治療を行わないと死亡することがあります。
デング熱を予防するためには、
蚊に刺されないようにするしかありません。
現在のところ、
デング熱のワクチンや予防薬がないからです。
デング熱に感染するリスクがある国へ渡航する場合は、
長袖長ズボンなどでできるだけ肌の露出を少なくすること、
エアコンや網戸があり
蚊の駆除をしているホテルを選ぶこと、
虫除けスプレーや蚊取り線香を使うことなどがあります。
デング熱は都市部でも流行しやすい感染症です。
熱帯の国へ旅行する時は、田舎に行くわけではなく、
都市部に滞在するからといって安心するのではなく、
都市部でも油断せずに
蚊に刺されないように気をつけましょう。