エボラ出血熱はなぜ病院ではなく保健所へ連絡するか知っていますか?
エボラ出血熱疑いはなぜ病院に直接行ってはいけないの?
エボラ出血熱が世間を騒がせています。
11月13日時点では、日本にはまだエボラ出血熱は上陸していませんが、
今までに3件のエボラ出血熱疑いのニュースがありました。
このような中で、「エボラ出血熱の疑いがあるにも関わらず、
一般の医療機関を受診した」という事態があり、
大きな騒ぎになりましたよね。
何で、エボラ出血熱疑いは一般の医療機関に行っては
いけないのでしょうか?
エボラ出血熱は、人の体液や血液、排泄物を介して感染します。
そして、エボラウイルスの感染力は非常に強いんです。
もし手に傷のある人が、患者の汗を触ってしまったら、
感染してしまうんです。
汗に触るだけでも感染する可能性があるなら、
外を出歩くだけで人にエボラ出血熱を感染させる可能性が
あるということですよね。
また、エボラ出血熱の感染予防のためには、
十分な感染防御対策が必要となります。
ニュースなどの映像を見ればわかりますが、
患者に接する人は全身を防護服で覆わなければいけませんが、
一般の医療機関ではそのような防護服はありません。
だから、エボラ出血熱疑いのある人は、
一般の医療機関を受診してはいけないんです。
エボラ出血熱疑いの人はどうする?
では、エボラ出血熱疑いの人はどうすれば良いのでしょう?
エボラ出血熱患者と接触があり、
その後日本に帰国してから突然高熱が出たら、
エボラ出血熱を疑いますよね。
そういうときは、まず地域の保健所に電話して下さい。
そして、保健所の指示に従いましょう。
保健所の電話番号がわからなければ、
「104」に電話すればすぐにわかりますし、
インターネットでも調べられますよね。
保健所に電話すると、
エボラ出血熱患者が入院できる設備の整った医療機関への
搬送手続きを行ってくれるはずです。
感染症指定医療機関とは?
エボラ出血熱患者が入院できる病院とは、
「特定感染症指定医療機関」や「第一種感染症指定医療機関」です。
特定感染症指定医療機関は厚生労働大臣が、
第一種感染症指定医療機関は都道府県知事がした医療機関です。
現在、特定感染症指定医療機関は全国に3医療機関8床、
第一種感染指定医療機関は全国に45医療機関86床しかありません。
特定感染症医療機関は一類感染症、
二類感染症の患者さんおよび新感染症の所見がある者
および新しい感染症の所見がある患者さんが入院する病院で、
第一種感染症指定医療機関は、
一類感染症と二類感染症の患者さんが入院する病院になっています。
感染症法とは何か?
「一類感染症」や「二類感染症」はあまり聞き慣れない言葉ですよね。
感染症は、感染症法により、感染力や症状の重症度に応じて、
危険度が高い順に一類から五類に分類されています。
エボラ出血熱は一類感染症です。
一類感染症はほかに天然痘やペスト、クリミア・コンゴ熱などがあり、
二類感染症はポリオや結核、ジフテリアなどがありますが、
一類感染症と二類感染症の患者である外国人は、
日本への入国を拒否されます。
コレラや腸管出血性大腸菌感染症は三類感染症、
A型肝炎やデング熱は四類感染症、RSウイルスやプール熱、
水疱瘡などは五類感染症に分類されています。
このように感染症を危険度に応じて分類しているのは、
危険の高い感染症を流行させないため、
そして適切な治療を即時に受けられるようにするためです。
エボラ出血熱疑いのある人は、
症状が出たら必ず保健所に連絡するようにし、
そのほかの感染症も、医師の指示で出席停止などがある時は、
きちんと守るようにしましょう。