乳がんの再発率も低くなる?7月から、人工乳房の使用に保険適用開始されます。
乳房再建術に保険適用開始
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、
乳がん予防のために乳房切除と乳房再建術を行ったことが、
日本でも大きなニュースになりましたが、
厚生労働省は7月から、乳がんの全摘手術後の
乳房再建術(人工乳房の使用)を
保険適用とすることを承認しました。
これは、乳がんの全摘手術後のみの適用となります。
日本では、まだ予防的乳房切除術の実施は
承認されていませんが、
アンジェリーナ・ジョリーさんのようなケースは、
保険適用外となります。
今までは、乳房再建術を希望する患者さんは、
人工乳房費や診療費、入院費などを全て含めると、
100万円近くを全額自己負担する必要がありましたが、
保険適用後は3割負担で済みますし、
高額療養費制度を利用すれば、さらに負担は少なくなり
乳房再建術を行う人は増加すると予想されます。
保険適用開始で、乳がん再発率が低下?
現在、女性のがん発症部位別で見ると、乳がんは第1位です。
1996年に胃がんを抜いて、1位になりましたが、
ライフスタイルや食生活の欧米化により、
今後も乳がん患者は増加していくと考えられています。
従来、日本での乳がんの治療は、温存療法が主流でした。
乳がんの進行度合にもよりますが、
乳房全体を切除するのではなく、病巣部位のみを切除して
できるだけ乳房は切除説に温存するというものです。
温存療法が主流となったのは、リンパ節などを残しても
生存率が変わらないことがわかったためです。
また、女性の象徴とも言える乳房を全切除するのは、
抵抗を感じる女性も多かったということも、
温存療法が主流となる一因でした。
しかし、温存療法は、
全切除に比べて再発の危険が高いのは事実ですので、
術後の放射線療法が必要になります。
このような中で、
今年の7月から乳がん全摘手術後の乳房再建術が
保険適用となったことで、今後は日本での乳がん治療の
方向性が変わるかもしれません。
乳房再建術を行えば、人工乳房とはいえ、
乳房の膨らみは手術前と変わらなくなりますし、
全摘出を行うことで再発率が低下し、
乳がんの生存率が上がることが予想されるからです。
また、女性人気が高く、
世界的にも有名なアンジェリーナ・ジョリーさんが
乳房再建術を行ったということで、
乳房再建術に抵抗を感じる女性も少ないと思います。
重要なことは、病院選び
乳がんが指摘され、手術をしなければならず、
全摘手術+乳房再建術を選んだ場合、
注意しなければいけないのは、手術を行う病院選びです。
乳房再建術は、今まで保険適用外の手術だったため、
手術件数が少なく、実施したことのある医師も少ないんです。
また、乳がんの手術と乳房再建術を同じ病院で行うには、
乳がんの治療実績があるだけでなく、
形成外科との連携がしっかりしている病院を
選ぶ必要があります。