イメージ画像

水道水で目を洗うのはダメ?プール後の目の保護と感染症予防の方法とは




夏はプールの季節です

130821-1

毎日、暑い日が続いていると、
子供たちはプールで遊びたくなりますよね。

プールは、安全に遊べば、とても楽しいものですが、
感染症にかかる危険も忘れてはいけません。

プールで感染する病気といえば、
流行性角結膜炎(はやり目)
プール熱(咽頭結膜炎)などです。

どちらも子供がかかりやすく、
学校保健安全法で学校感染症に指定されています。

保護者の世代では、感染症を予防するために、
「プールを出たら、水道水でしっかり目を洗いましょう」
と指導されませんでしたか?

目を洗うことで、
病原菌も一緒に洗い流せるためです。

でも、
「プール後に水道水で目を洗うのは、あまり良くない」
ことが、最近の常識になっているんです。

水道水で目を洗うのは悪影響

130607-11

2008年に慶応義塾大学の眼科グループが
発表した論文によると、

「プールと同じ濃度の塩素を加えた生理食塩水で洗顔すると
塩素によって角結膜の上皮が傷つく。

水道水による洗顔でも、
目の表面を保護しているムチン(粘膜を保護する成分)
が減少し、角膜上皮のバリア機能が障害された」

とのことです。

つまり、水道水に含まれる塩素が、
目の角膜を傷つけてしまうということです。

プールの後に、水道水でしっかり目を洗ってしまうと、
目を傷つけることになるんですね。

ただ、この慶應義塾大学の眼科グループの実験では、
実験の影響を確認するために、
水道水で目を洗う時間を50秒と長く設定しています。

細菌やウイルスを洗い流すには、
5~10秒だけ目を洗うのは有効と考えられていますので
日本眼科医会は

「プール後の水道水による簡単な洗眼は行ってよいが、
積極的に推奨するものではない

との見解を示しています。

感染症予防のために、
簡単に手早く目を洗うのは有効ですが、
長時間洗ってしまうと、目を傷つけることになるんですね。

感染症を予防し、目を保護するためには

130613-6

水道水が目の角膜を傷つけると言われると、
短時間と言えども目を洗うのが怖くなるかもしれません。

でも、感染症も怖いですよね。

感染症を予防しつつ、目を保護するためには、
プールではゴーグルを使用するようにしましょう。

日本眼科医会も「プールには、ゴーグル使用が望ましい」
としています。

ゴーグルをすれば、プールの水が
直接目に付着することはないので、
感染症を予防できますし、目を洗う必要もありません。

また、目薬を使用しても良いでしょう。

プール後に目薬を使用する場合は、
疲れ目やアレルギー用のものではなく、
涙成分に近いものを使用するようにしてくださいね。

これらの対策を行っても、目に違和感があったり、
目が充血するなどの症状が出た場合は、
すぐに眼科を受診するようにしましょう。





タグ



2013年8月21日 | カテゴリー:感染症 目・耳

あわせて読みたい関連記事