水道水で目を洗うのはダメ?プール後の目の保護と感染症予防の方法とは
夏はプールの季節です
毎日、暑い日が続いていると、
子供たちはプールで遊びたくなりますよね。
プールは、安全に遊べば、とても楽しいものですが、
感染症にかかる危険も忘れてはいけません。
プールで感染する病気といえば、
流行性角結膜炎(はやり目)や
プール熱(咽頭結膜炎)などです。
どちらも子供がかかりやすく、
学校保健安全法で学校感染症に指定されています。
保護者の世代では、感染症を予防するために、
「プールを出たら、水道水でしっかり目を洗いましょう」
と指導されませんでしたか?
目を洗うことで、
病原菌も一緒に洗い流せるためです。
でも、
「プール後に水道水で目を洗うのは、あまり良くない」
ことが、最近の常識になっているんです。
水道水で目を洗うのは悪影響
2008年に慶応義塾大学の眼科グループが
発表した論文によると、
「プールと同じ濃度の塩素を加えた生理食塩水で洗顔すると
塩素によって角結膜の上皮が傷つく。
水道水による洗顔でも、
目の表面を保護しているムチン(粘膜を保護する成分)
が減少し、角膜上皮のバリア機能が障害された」
とのことです。
つまり、水道水に含まれる塩素が、
目の角膜を傷つけてしまうということです。
プールの後に、水道水でしっかり目を洗ってしまうと、
目を傷つけることになるんですね。
ただ、この慶應義塾大学の眼科グループの実験では、
実験の影響を確認するために、
水道水で目を洗う時間を50秒と長く設定しています。
細菌やウイルスを洗い流すには、
5~10秒だけ目を洗うのは有効と考えられていますので
日本眼科医会は
「プール後の水道水による簡単な洗眼は行ってよいが、
積極的に推奨するものではない」
との見解を示しています。
感染症予防のために、
簡単に手早く目を洗うのは有効ですが、
長時間洗ってしまうと、目を傷つけることになるんですね。
感染症を予防し、目を保護するためには
水道水が目の角膜を傷つけると言われると、
短時間と言えども目を洗うのが怖くなるかもしれません。
でも、感染症も怖いですよね。
感染症を予防しつつ、目を保護するためには、
プールではゴーグルを使用するようにしましょう。
日本眼科医会も「プールには、ゴーグル使用が望ましい」
としています。
ゴーグルをすれば、プールの水が
直接目に付着することはないので、
感染症を予防できますし、目を洗う必要もありません。
また、目薬を使用しても良いでしょう。
プール後に目薬を使用する場合は、
疲れ目やアレルギー用のものではなく、
涙成分に近いものを使用するようにしてくださいね。
これらの対策を行っても、目に違和感があったり、
目が充血するなどの症状が出た場合は、
すぐに眼科を受診するようにしましょう。