エボラ出血熱と似た感染症、マールブルグ出血熱がアフリカで発生!
拡大するエボラ出血熱
2014年2月末から
西アフリカを中心に流行しているエボラ出血熱は、
8ヶ月経った2014年10月になっても
流行の拡大を続けていて、
流行が終わる気配が見られません。
WHOの発表によると、
今回の流行によるエボラ出血熱の感染者は
10月10日時点で8399名が感染し、4033名が死亡しています。
また、流行当初は西アフリカのギニア、リベリア、
シエラレオネの3カ国だけでしたが、
10月になるとアメリカでは二次感染が確認され、
今後はさらに流行が拡大していくかもしれません。
エボラ出血熱並みの脅威=マールブルグ出血熱
エボラ出血熱の脅威に世界中が脅えていますが、
エボラ出血熱並みの脅威があるとされている
新たな感染症がアフリカのウガンダで発生しました。
ウガンダで発生した感染症は、マールブルグ出血熱です。
発症した男性は既に死亡していて、
患者と接触した99人が現在隔離されているとのことです。
マールブルグ出血熱は、
1967年8月に西ドイツのマールブルグ市で、
ワクチン製造のためにウガンダから輸入された
アフリカミドリザルの組織や血液に接触した25人が
熱性疾患にかかったことで初めて認識された感染症です。
この時は25人中7人が死亡しています。
同じ頃に、西ドイツのフランクフルトや
ユーゴスラビアのベオグラードで
ウガンダから輸入されたサルに接触した人が
同じような熱性疾患を発症したことが報告されています。
この熱性疾患の原因は、
マールブルグウイルスであると断定され、
マールブルグウイルスによる熱性疾患は
マールブルグ出血熱と名づけられました。
その後、アフリカで散発的な流行を繰り返していましたが、
1998~2000年にはコンゴで128人が死亡し、
2004~2005年にはアンゴラで277人が死亡しています。
致死率は、その流行によって大きな差がありますが、
1998~2000年のコンゴでの流行は
致死率が83%と非常に高くなっています。
マールブルグ出血熱の症状や治療
マールブルグ出血熱の宿主は、
アフリカに生息するコウモリと言われています。
そして、感染経路は感染者の血液や体液、
排泄物に接触したことによるものと考えられています。
マールブルグ出血熱に感染すると、
3~10日間の潜伏期間を経た後、
初期症状として全身倦怠感、発熱、頭痛、嘔吐、下痢、
筋肉痛、咽頭通などの症状と共に、
マールブルグ出血熱特有の皮膚粘膜発疹が現れます。
発症して1~2日後には下血や吐血があり、
5~7日後に臀部や腕の外側に暗赤色の丘疹ができ、
最終的には全身から出血症状が起こるDICや意識障害が起こり
ショック状態となって死亡します。
マールブルグ出血熱の治療法は、対症療法のみになります。
マールブルグウイルスに効果のある
治療薬やワクチンはありません。
症状だけでなくこの点もエボラ出血熱に似ていますね。
とにかく今は、このマールブルグ出血熱が
エボラ出血熱のように流行しないことを祈るのみです。