寝起きの一服は危険!がんのリスクを上げるタバコは、体全体に悪影響を及ぼします。
寝起きのタバコは、がんのリスクを上げる?
愛煙家の人は、「朝起きて、まずは一服する」という人も
多いのではないでしょうか?
寝ている時はタバコを吸わないので、ニコチン中毒の人は
体がニコチンを欲しているのかもしれません。
「目覚めの一服が一番おいしく感じる」という人もいますよね。
でも「朝起きて、まずは一服」の習慣は、
がんのリスクを上げることがわかりました。
アメリカのペンシルバニア州立大学の生物行動学講座の
研究グループが、「目覚め直後の一服は、肺がんや口腔がんの
発症リスクを高める」という研究結果を発表したのです。
この研究は、2000人の喫煙者の血液サンプルと
喫煙習慣を基に分析したもので、
その日最初のタバコを起床後30分以内に吸う人は、
31分以上経ってから「最初の1本」に手を伸ばす人よりも、
タバコ特有の発がん性物質の血中濃度が
高いことがわかったそうです。
これは、起床後すぐにタバコを吸うと、
通常時よりもより深く吸入することが原因と考えられています。
また、2年前にもペンシルバニア州立大学の公衆衛生学の
研究グループは、「目覚めの一服」と口腔がんを含む
頭頸部がんとの関連を発表しています。
この研究結果でも、起床後30分以内に目覚めの一服をする人は、
それ以降にタバコを吸う人よりも発ガンのリスクが
高いことがわかっています。
喫煙は、もともとがんのリスクを上げる行為ですので、
喫煙しながらもできる限りがんのリスクを上げないためには
起床後30分以上経ってから、
最初の1本を吸うほうが良さそうです。
タバコとがんの関係は?
タバコには、発がん性物質が含まれていて、
がんの発症リスクを上げることがわかっています。
厚生労働省の健康日本21によると、タバコは、肺がん、
喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、
膀胱がん、腎盂・尿管がん、膵がんなど
多くのがんの発症の危険因子であるとしています。
実際にタバコの煙が触れる肺がんや喉頭がん、
口腔・咽頭がんだけでなく、タバコの煙が直接触れない
胃がんや膀胱がんなどのリスクも上がるんです。
タバコは、体全体に悪影響を及ぼすんですね。
タバコとがんの発症リスクのデータは?
現在、日本人の死因のトップはがんですが、
国立がん研究センターの研究によると、
喫煙者のがんの発症リスクは、非喫煙者に比べて
男性で1.6倍、女性で1.5倍高くなります。
また、タバコが原因と考えられるがんは、
男性の場合29%、女性の場合3%もあるのです。
タバコを吸っていなければ、年間9万人の人が
がんにならずに済んでいるというデータもあります。
タバコの恐ろしいところは、
喫煙者本人のがん発症のリスクを高めるだけでなく、
副流煙により、周囲の人の健康も害してしまうことです。
自分ががんにならないためにも、周囲の人の健康を
守るためにも、禁煙に挑戦してみてはいかがですか?