色覚異常で進路断念も!日本人男性の20人に1人が持つ色覚異常とは?
色覚異常とは?
色覚異常とは、先天的または後天的な要因で、
正常な色覚ではない状態のことです。
「正常な色覚ではない」のですが、
「普通の人よりも、色の区別がつきにくい状態」というと
少しわかりやすいかもしれませんね。
決して全ての色が白黒に見えているわけではないんです。
色覚異常のほとんどは、
先天的なものですが、日本人の場合、
男性は5%(20人に1人)、女性は0.2%(500人に1人)
が色覚異常と言われています。
日本人男性の20人に1人が色覚異常と聞いて、
「思ったよりも多い!」と感じるかもしれませんね。
でも、欧米では男性の8~10%が色覚異常と
言われていますので、日本人は少ないほうなんです。
色は、光の三原色でさる赤、緑、青の
3つの光の組み合わせで作られていますが、
色を感じ取る視細胞にも、
それぞれ赤、緑、青に敏感な細胞の3種類があります。
色覚異常は、これらの色を感じ取る視細胞が欠落していたり
十分に機能しないことで起こるのです。
色覚異常は、2色覚と異常3色覚に分類され、
2色覚異常は3種類の視細胞のうち
どれか1つが欠落している状態、
異常3色覚は視細胞が3種類あるが、
そのうちの1つの機能が弱い状態のことです。
色覚検査廃止の背景
従来は、小学校4年生になると、
学校で一斉に色覚検査が行われていましたが、
2003年度以降は中止となっています。
中止となった理由は、
「検査をすることが
社会的な差別につながる可能性があること」と
「色覚異常があっても、
生活に支障がない人が多いこと」
が挙げられています。
確かに、小学生で色覚異常があると、
差別やいじめの対象になることも
あるかもしれませんね。
でも、この色覚検査廃止によって、
新たな問題が発生しているのです。
色覚異常で進路断念
小学校での色覚検査が廃止になって以降、
自分が色覚異常であることに気づかないまま
成長していく子どもが、意外に多いことがわかりました。
日本眼科医会の調査によると、
色覚異常の子どもの2人に1人が異常に気づかないまま
進学や就職時期を迎え、6人に1人が進路断念などの
トラブルを経験していることがわかりました。
自分が色覚異常であることに気づかないということは、
色覚異常があっても、
日常生活にそれほど支障がないことを表していますが、
航空関係や写真関係、食品関係、警察官などは、
業務に支障が出るため、採用が制限されているんです。
日本眼科医会は、希望者は学校で検査できるよう
国に求めていく方針を決めました。
検査をせずに早く色覚異常であることに気づくためには、
保護者が子供の色に関する言動を
日常的に注意しておくことや
色覚異常は20人に1人の確率であり、
決して珍しいことではないということを把握しておき、
少しでも「あれ?」と思うことがあれば、
色覚検査を受けるようにしましょう。