2月から流行する感染性胃腸炎のロタウイルス。子供は注意が必要です。
ロタウイルスとは?
今シーズンも年末年始に感染性胃腸炎の代表格
とも言えるノロウイルスが流行し、
全国各地で集団感染が起こりましたよね。
1月中旬になると、
ノロウイルスの流行も一段落して、
ホッと一安心している方も多いと思います。
でも、ノロウイルスの流行が終わったからと言って
安心してはいけません。
確かに
ノロウイルスの流行シーズンは12月から1月ですが、
2月から4月にかけて流行する感染性胃腸炎が
あるんです。
その感染性胃腸炎とは、ロタウイルスです。
ノロウイルスの流行が終わったら、
次はロタウイルスに注意しなければいけません。
ロタウイルスの主症状は、ノロウイルスと同様に、
腹痛や下痢、嘔吐、発熱などです。
ロタウイルスの場合、
1日5~6回の嘔吐が1~3日ほど続き、
3~8日間下痢が続きます。
ノロウイルスとの違いは、
下痢便が白色になることがある点です。
子供は要注意!
ロタウイルスは、
主に子供がかかる感染性胃腸炎です。
好初年齢は生後6ヶ月から2歳までで、
5歳までにほぼ100%が感染すると言われています。
子供がロタウイルスにかかると、
10%は入院となるというデータがあります。
それだけ重症化しやすいということですね。
子供がロタウイルスにかかった場合、
脱水症状と脳症に注意しなければいけません。
ロタウイルスにかかると、
激しい下痢や嘔吐が続きますので、
すぐに脱水になってしまいます。
脱水症状が進むと、意識障害やけいれん、
脳梗塞などを引き起こします。
また、ロタウイルスが消化管ではなく
脳で感染を起こすと、脳症や脳炎を発症します。
ロタウイルスによる脳症は、
毎年数名の死亡例が報告されていますし、
回復してもてんかん等の後遺症が残ります。
大人もロタウイルスに感染しますが、
免疫があるために発症しなかったり、
発症しても軽症で済むことが多いんです。
ただ、免疫力が落ちていたり、
体力のない高齢者が発症すると、
重症化することもありますので、
注意してください。
ロタウイルスの対処法
ロタウイルスの特効薬はありませんので、
感染したらとにかく水分補給を心がけましょう。
子供の場合は、
「スプーン1杯を5分おき飲ませる」
などの工夫をして、
継続的に水分補給をするようにしてください。
もし、
「水分を受け付けない」、「おしっこが出ない」、
「ぐったりしている」、「呼びかけに反応が悪い」
などの症状が出ている場合は、
早めに医療機関を受診して、重症化を防ぎましょう。
ロタウイルスは経口感染です。
そのため、ロタウイルスの予防法は
手洗いが中心となります。
石鹸と流水で、しっかり手洗いをしましょう。
ロタウイルスは発症2日前から
発症後10日前後まで排菌していますので、
症状が消えた後もしばらくは注意が必要です。
またロタウイルスは、
アルコール消毒があまり効果がありませんので、
消毒する場合は次亜塩素酸ナトリウム液を用いて
消毒してください。
また2011年からロタウイルスのワクチンが
任意接種で開始になっています。
生後6ヶ月までに2~3回接種しなければいけませんが、
今後子供を持つ予定のある方は、
重症化を防ぐためにもロタウイルスのワクチン接種を
予定しておくと良いでしょう。