マラソンが心停止の引き金に?マラソンを安全に楽しむ方法を知りましょう。
マラソンは健康に悪い?
ここ数年、ジョギングやランニングブームが
続いていますよね。
その延長で、
マラソンにチャレンジする人も多いと思います。
今年の東京マラソンの倍率は10倍以上ですので、
いかにマラソン人気が高いかがわかります。
ただ、マラソンは42.195kmと長い距離を走り、
長時間運動を続けますので、
身体への負担はとても大きなものになります。
特に、心臓への影響は深刻です。
マラソン途中やマラソン後、
心臓発作を起こして、心停止することがあるんです。
アメリカの医学誌に掲載されたデータによると、
過去10年でアメリカのフルマラソンや
ハーフマラソンに参加した人の数は1090万人ですが、
このうちレース中に心停止を起こした人は
59人に上ったそうです。
この数字を見ると、
マラソンが原因で心停止した人の割合は
非常に低く感じますが、
アメリカ国内で1年に約6人が
マラソンが原因で死亡していると考えると、
やっぱり多いですよね。
マラソンでは、
心停止以外にも脱水症状や振動性胃腸障害、
腱や関節の損傷、スポーツ貧血など
身体への様々な悪影響を引き起こします。
マラソンで心停止を起こす理由
なぜ、マラソンをすると
心停止を起こすリスクが高いのでしょう?
マラソンで心停止を起こす人に共通していることは
生活習慣病を持っているという点です。
特に、動脈硬化を指摘されている人は要注意です。
動脈硬化は血管壁にコレステロールなどが沈着し、
血管壁が硬くなると同時に細くなります。
この動脈硬化は、心臓の細胞に栄養や酸素を送る
冠動脈にも起こります。
冠動脈は非常に重要な血管ですが、
元々細いので、
動脈硬化になるとさらに細くなります。
動脈硬化により冠動脈が
細くなっているにもかかわらずマラソンをすると、
心臓に負担を与え、
心臓の筋肉にたくさんの栄養や酸素を送ろとしても
細い血管では十分な血液を送ることができずに、
酸素不足になって心停止を起こしてしまうのです。
また、血管壁のプラーク(粥腫)が、
長時間の運動によって、
破裂しやすくなるという要因もあります。
プラークが破裂すれば、
それが血栓となって冠動脈を詰まらせて、
心筋梗塞を引き起こします。
マラソン中の心停止は、
動脈硬化などの生活習慣病を持っている人に
起こりやすいと言われていますが、
健康な人でも心臓に過剰な負荷をかけると、
心停止を引き起こしかねませんので注意しましょう。
健康的にマラソンをするには
一歩間違えると、
身体へ悪影響を及ぼすマラソンですが、
安全かつ健康的にマラソンを続けるには、
どうしたら良いのでしょう?
まず、生活習慣病のある人は、
主治医にマラソンを行っても良い状態かどうかを
確認しましょう。
医師から心拍数の上限などの指導を受けた場合は、
必ずそれを守るようにしてください。
また、心筋梗塞の前触れの症状である
胸部不快感や冷や汗、ふらつきなどが出た場合は、
速やかに運動を中止しましょう。
マラソンレース中でも、無理をせずに、
途中棄権する勇気を持つことが大切です。
これ以外にも、普段から健康に留意し、
健康診断を受けるようにしたり、
栄養や睡眠を十分に取ること、
運動中も水分補給は十分に行うことなどを心がけて
マラソンを楽しむようにしたいですね。