乳幼児や小児が多く罹患する、夏に流行する感染症について知っておきましょう。
プール熱が流行の兆し
東京都や大阪府などで、
プール熱が流行の兆しを見せています。
6月2日から8日までの1週間の患者報告数は、
東京では前週比25%増、大阪では12%増、
兵庫でも12%増となっていて、
警報基準値を超える地域も出てきています。
患者報告数が急増した東京都中野区では、
2ケ所の幼稚園で集団感染が発生し、
学級閉鎖の措置が取られる事態になっていて、
中野区の担当者は
「これから夏場にかけて流行期となるので、
動向に引き続き注意する必要がある」と述べています。
プール熱以外にも夏場に流行する感染症がありますので、
それぞれの症状や予防法をご紹介します。
プール熱とは?
プール熱の正式名称は咽頭結膜炎と言いますが、
プールで感染することも多いため、
プール熱と呼ばれています。
プール熱は5~7日間の潜伏期間を経た後、発熱や頭痛、
倦怠感、咽頭痛、結膜炎などの症状が現れます。
プール熱にかかる患者さんの約80%は
5歳以下の子供です。
通常の場合、対症療法のみで3~5日程度で回復しますが
高熱のために熱性けいれんを起こしたり、
脱水症状で重篤化することもありますので、
乳幼児がプール熱に感染した場合は注意が必要です。
ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナは毎年7月ごろに
流行のピークを迎える感染症で、4歳以下の幼児、
特に1歳児がかかりやすい夏風邪のひとつです。
2~4日の潜伏期間を経た後、
突然の高熱が出て発症しますが、
ほかの夏風邪と異なる点は、
のどの奥にできる赤みを伴った小さな水疱です。
水疱が潰れると痛みを伴い、食欲が落ちたり、
水分補給がうまくできないことがあります。
のどの痛みで水分補給ができないことで、
高熱による脱水症状を引き起こすことがありますが、
少量ずつでも水分補給をしていけば、
予後は良好で重症化することはあまりありません。
手足口病とは?
手足口病も乳幼児に多く見られる夏風邪の一種で、
発熱と共に手足や口に水疱のような発疹が
できることが特徴です。
発疹が手足や口にできることから、
「手足口病」という病名がつけられています。
ほとんどの場合、7~10日程度で自然回復しますが、
稀に中枢神経系の合併症を引き起こすことがあります。
これらの夏に流行する感染症は、
乳幼児や小児が多く罹患しますが、
それぞれ有効なワクチンや予防薬はありません。
感染経路が飛沫感染や接触感染ですので、
手洗いうがいを励行すること、
タオルの共有は避けること、
トイレやオムツ交換の後は
きちんと手洗いをすることなどがあります。
お子さんと一緒に手洗いうがいを徹底して、
夏の感染症を予防しましょう。