高齢者だけじゃない!アトピー性白内障は20歳前後で発症することがあります。
白内障とは?
白内障という眼の病気を知っている方も多いと思いますが
白内障とは水晶体が濁ってしまう病気です。
まず、なぜ眼が見えるかを
眼の構造と一緒に簡単にご説明します。
カメラに例えると、水晶体はレンズ、
網膜はフィルムの役割を果たしています。
水晶体から光を取り入れ、網膜に見たものを届け、
網膜に映ったものが視神経を通して脳に認識されます。
水晶体の働きは、
網膜に光を届けることとピントを合わせることです。
正常な水晶体は無色透明ですが、
白内障になると水晶体の成分であるたんぱく質が変性し、
灰白色や茶褐色に濁るようになります。
レンズの役割をしている水晶体が濁ってしまうと、
かすんだり、まぶしく感じるようになったり、
ものが二重三重に見えるようになり、
さらに重症化すると視力低下が起こり、
最終的に失明することになります。
白内障は加齢が原因であることが多く、
60代の約8割が発症していて、
80歳以上のほとんどの人が
白内障の症状を持っていると言われています。
アトピーで白内障?
確かに、白内障は高齢者に多い病気です。
でも、若いからといって安心してはいけません。
20代を中心に発症する白内障もあるのです。
それは、アトピー性白内障です。
アトピーで白内障になるの?と不思議に思いますよね。
でも、重症のアトピー性皮膚炎の人の約5%が
アトピー性白内障を合併するんです。
アトピー性白内障の原因はまだ詳細にはわかっていませんが
アトピー性皮膚炎が
水晶体のたんぱく質を変性させてしまうという説や
ステロイド薬の副作用という説があります。
また、顔にアトピーの症状が出ることで、
痒みで眼の周りを掻いたり叩いたりすることも
アトピー性白内障を発症する誘因の一つと言われています。
アトピー性白内障の進行スピードは人によって異なりますが
高齢者の白内障と違って一気に進行することがあり、
早急な手術が必要になることもあります。
アトピー性白内障の治療と予防
水晶体が一度濁ってしまうと、
治療しても元には戻りません。
そのため、点眼薬で白内障の進行を遅らせるか、
手術をして人工レンズを入れることで、
視力を回復させる治療法を行います。
アトピー性白内障の予防法は、
重症のアトピーの人や顔にアトピーの症状が出ている人は
皮膚科だけでなく定期的に眼科にも通って、
眼底検査を行うようにしましょう。
また、白内障の症状が出たら、
できるだけ早く眼科を受診してください。
日常生活では、顔にアトピーの症状がありかゆい時でも、
できるだけ眼の周りはこすったり
叩いたりしないようにする必要があります。
冷タオルや保冷剤で冷やすと痒みが少し和らぎます。
また、どうしても我慢できない時は
皮膚科に相談してみましょう。
水晶体は一度濁ってしまったら、元通りになりません。
アトピーの人は、
若いうちから白内障になるリスクがあることを知って、
予防対策をしていきましょう。