黄砂は心筋梗塞を引き起こす?黄砂による健康被害を知りましょう。
中国からの黄砂が健康に悪影響
毎年3月から5月にかけて
西日本を中心に黄砂が飛来しますよね。
黄砂とは、中国大陸のタクラマカン砂漠などの
乾燥地帯の砂塵が上空に巻き上げられて、
偏西風に乗って日本に降り注ぐものです。
黄砂は3月から5月の春に多く飛来しますが、
それ以外の時期にも1年中日本に飛来しています。
黄砂は日本だけでなく中国にも降り注いでいますが、
日本にやってくる黄砂は粒子が小さいのが特徴で、
粒子が小さいため体内に取り込まれやすく、
健康に悪影響を及ぼしているんです。
黄砂による健康被害は、
体内に取り込まれてアレルゲンとなって
アレルギーを引き起こすことです。
黄砂は、咳や鼻水、くしゃみ、眼のかゆみや充血、
皮膚の痒みや湿疹など
典型的なアレルギー症状を引き起こすほかに、
アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症、
アレルギー性結膜炎の悪化など、
元々持っているアレルギー疾患を悪化させます。
さらに、黄砂が肺の奥深くにまで進入すると、
肺炎や気管支炎を発症することもあります。
この黄砂によるアレルギー症状の発症と増悪は、
国際病院機構福岡病院アレルギー科の調査で
明らかになっています。
北九州市の学生とその家族を対象に調査を行ったところ、
黄砂の飛来が観測された翌日に、鼻や目、
喉の症状が悪化していることがわかったんです。
黄砂は心筋梗塞を引き起こす?
黄砂はアレルギー症状や
呼吸器に影響を及ぼすだけでなく、
心筋梗塞の引き金になっている可能性があることも
わかっています。
福岡県の済生会福岡総合病院の
循環器内科が中心となって行った調査では、
2003年4月から2010年12月に
発症から24時間以内に入院した
大人の急性心筋梗塞患者3068人(65歳以上は63.7%)
のデータを解析して、黄砂が飛来した日と
そうでない日周辺の入院率の差を調べました。
その結果、黄砂が飛来した当日から4日後の4日間に
急性心筋梗塞で入院するリスクが1.2倍になっていて、
特に飛来から4日後の入院リスクは
1.3倍になっていることがわかったんです。
この調査は、気温や湿度、大気汚染物質などの影響を
取り除いて解析したものですので、
黄砂が心筋梗塞を引き起こす引き金になっていることは、
間違いないようです。
黄砂対策はどうすれば良い?
黄砂は、アレルギー症状や呼吸器の疾患を
引き起こすだけでなく、
死のリスクが大きい心筋梗塞の引き金になりますので、
できる限り黄砂対策をして、
健康への被害を最小限にしたいものです。
黄砂対策のポイントは3つあります。
1つ目は、黄砂の飛来情報を把握しておくことです。
いつ黄砂が飛んでくるか事前に知っておくことで、
対策をしやすくなりますよね。
2つ目は、メガネやマスクを着用しましょう。
目や鼻、口に黄砂が入るのを防いでくれます。
黄砂は花粉よりも粒子が小さいですので、
花粉用のマスクではなく、ウイルスを通さない
インフルエンザ用のマスクが良いでしょう。
3つ目は、黄砂が飛来する日はできるだけ外出を控え、
室内で過ごすことです。
室内で過ごす時も、窓は開けないようにしてください。
窓を開けることで、黄砂が室内に入り込みます。
また、洗濯物は部屋干しにして、
衣類に黄砂が付着するのを防ぎましょう。
これらの対策をすることで、
黄砂が体内に侵入するのを防ぐことができます。
黄砂が飛来するのは春先だけではありません。
1年中黄砂の飛来情報を把握して、
黄砂対策に努めたいですね。