デング熱で重症化のリスクが高いのはどんな人かを知りましょう。
デング熱は8割が無症状
8月下旬に日本で69年ぶりにデング熱の感染・発症が確認され
連日大きなニュースとなっていて、
感染者も全国各地で確認されるようになりました。
デング熱は、デングウイルスに汚染された
ヒトスジシマカが媒介して感染しますが、
デングウイルスを持つ
ヒトスジシマカに刺されたからといって、
必ずデング熱を発症するわけではないんです。
むしろ、感染しても発症せず無症状で終わる人のほうが多く、
感染しても約80%は発症しないとされています。
また、通常は1週間程度で回復し、予後は良好で、
重症化するのは5%未満(WHOのデータでは0.5~1%)
とされています。
こういう数字を見ると、
デング熱はそれほど危険な感染症ではないかも?
と思うかもしれませんが、
重症になりやすい人もいますので、
そういう人たちは注意が必要です。
妊婦さんはデング熱に注意!
デング熱を発症して重症化しやすいのは、
妊娠中の女性です。
妊娠中の女性がデング熱に感染した場合の影響は、
デング熱流行地域であるブラジルから報告されていて、
妊娠中の女性がデング熱を発症すると
妊娠していない女性に比べて、
重症化するリスクは3倍も高いことがわかっています。
また、妊娠後期になればなるほど、
重症化するリスクが高くなります。
日本産婦人科学会と日本産婦人科医会は、
「わが国では過去1500例の感染例のうち
死亡例はないことから、
過度に不安を抱く必要はないと考えられる。」
としていますが妊娠中の女性は、長袖を着用するなど
蚊に刺されないように注意してほしい
との声明を出しています。
糖尿病患者もハイリスク!
デング熱を発症して重症化しやすいのは、
妊婦さんだけではありません。
糖尿病を患っている人も注意が必要です。
糖尿病になると、免疫機能が低下し、
インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなりますが、
同様にデング熱にも感染しやすくなります。
また、免疫機能が低下していますので、
健康な人であれば回復する場合でも、
糖尿病があると回復が遅れたり、重症化しやすくなるのです。
赤ちゃんも気をつけよう
そして、デング熱は赤ちゃんも注意しなくてはいけません。
特に、生後6ヶ月から1歳までの子供は
重症化しやすいと言われています。
生後6ヶ月まではお母さんからの免疫がありますので、
感染しても重症化するリスクは低いのですが、
6ヶ月を過ぎるとお母さんからの免疫がなくなります。
でも、赤ちゃんは体力がなく、
自分自身の免疫力は弱いですので、
デング熱にかかると重症化しやすいんですね。
デング熱を媒介するヒトスジシマカが活動するのは、
10月下旬ごろまでと言われています。
妊婦さん、糖尿病を持つ人、赤ちゃんがいるご家庭は、
長袖長ズボンの着用や虫除け剤、蚊取り線香の使用など、
蚊に刺されない対策をしっかり行いたいですね。