思い込みは健康に良い?「プラセボ効果」について知りましょう。
プラセボ効果って何?
病気の治療に欠かすことができないものと言えば、薬ですよね。
降圧剤、鎮痛解熱剤、利尿剤、抗生剤、
抗ウイルス薬など現代医療には薬は必要不可欠なものです。
降圧剤には血圧を下げる作用のある成分が、
鎮痛解熱剤剤には痛みを和らげ
体温を下げる作用のある成分が含まれています。
その有効成分があるから、
薬は治療に欠かすことができないんですよね。
でも、人間の体には不思議な力があるんです。
「プラセボ効果」って聞いたことがありますか?
プラセボとは偽薬のことです。
乳糖やデンプンで作られた偽薬や
ただのビタミン剤を本物の薬として飲んでもらうと、
症状が改善することがあるんです。
この効果をプラセボ効果と呼んでいます。
頭痛の患者に頭痛薬だといって
ビタミン剤を飲んでもらう実験をすると、
半数くらいの人が頭痛が治ってしまうこともありますし、
眠れない人に睡眠薬と言って乳糖の錠剤を飲んでもらうと、
スムーズに眠りにつけることもあります。
このプラセボ効果による症状の改善は、自覚症状だけではなく、
客観的に測定可能な状態の改善としても現れることがあります。
特に、痛みや抑うつ、パーキンソン病に関しては、
このプラセボ効果が高いという実験結果が
何度も報告されています。
なぜプラセボ効果が生まれるのか?
なぜ有効成分が入っていない偽薬で症状が改善する
プラセボ効果が現れるんでしょうか?
これは「思い込み」や「自己暗示」が
大きく関わっていると考えられています。
「症状に効く薬を飲んだ」という思い込みや
自己暗示が脳内物質を作り出し、
疼痛反応に関係ある脳の神経領域を刺激することで、
疼痛緩和などの症状改善が現れるとされています。
また、「薬を飲んだ」という思い込みが安心感を生み、
症状があることに対するストレスを緩和させて、
免疫機能が高められ、
自然治癒に導くのではないかとも言われています。
思い込みは健康に良い?
「思い込み」という言葉は、あまり良い意味では使われませんが、
プラセボ効果を考えると思い込みも悪くないと思いませんか?
また、この思い込みが認知力や
記憶力をアップさせる秘訣かもしれないんです。
フランスで行われた研究で、BMIが低く活動的な人は、
自分が実年齢よりも若いとのイメージを持っている人が多く、
実年齢よりも自分が老いていると感じているグループは、
若いと感じているグループよりも記憶力と認知力のスコアが
25%低かったことがわかりました。
つまり、自分を若いと思い込むことが、
記憶力や認知力をアップさせる秘訣かもしれないということです。
そして、自分を若いと思い込むためには
活動的で肥満ではないことが重要です。
自分が若いと思い込むことが
認知症予防につながるかもしれませんね。
人間の体は不思議ですから、「病気が治る」、「私は若い」
という前向きな思い込みは大切なことかもしれません。