デング熱に似たチクングニア熱がアメリカ大陸で流行中!蚊に刺されないようにしましょう
チクングニア熱がアメリカ大陸で流行
2014年は日本で69年ぶりにデング熱の国内感染が確認されましたよね。
デング熱の感染で、一時期その公園が閉鎖されるなど、
社会問題に発展しました。
そんなデング熱と似た感染症にチクングニア熱があります。
このチクングニア熱が、アメリカ大陸で流行しているんです。
チクングニア熱は、
もともとアジアやアフリカで流行している感染症でしたが、
2013年12月にカリブ海のサンマルタン島で
初めて地元の蚊が媒介した感染が確認されました。
西半球でチクングニア熱の感染が確認されたのは、
初めてのことだそうです。
その後、中米すべての国で感染が確認され、
アメリカでも国内感染が11例、
海外からの帰国者が1900例も確認されています。
さらには、これから夏を迎える南米のブラジルやペルーでも
国内感染が確認されていて、
南北アメリカ大陸ではこの1年間で感染者は103万人、
死者が155人となっています。
アメリカ大陸での流行は終息する様子はまったくなく、
今後も感染拡大していくと予測されています。
チクングニア熱とは?
チクングニア熱は、
ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介する感染症で、
デング熱やウエストナイル熱と症状が似ているといわれています。
チクングニア熱は、ウイルスに汚染された
ネッタイシマカやヒトスジシマカに刺された後、
2~12日(通常2~4日)の潜伏期間を経て発症します。
主な症状は、40℃に達する高熱、関節痛、発疹です。
高熱、関節痛、発疹がチクングニア熱の3大症状ですが、
中でも関節痛がチクングニア熱の最大の特徴です。
「チクングニア」とはアフリカ東部に住む民族の言葉で
「捻じ曲げられるもの」という意味なんです。
そのくらい、チクングニア熱は関節痛が強いことが多く、
熱は2日程度で解熱するものの、
関節痛は数ヶ月から1年以上にわたって続くこともあります。
チクングニア熱の治療や予防
チクングニア熱は、日本ではまだ国内感染例は確認されていません。
輸入感染症として、
海外からの帰国者が日本で発症した例があるのみです。
ただ、チクングニア熱はデング熱と同じ
ヒトスジシマカが媒介します。
日本でもヒトスジシマカは東北地方まで生息していますし、
デング熱の感染例がある以上、
チクングニア熱がいつ確認されてもおかしくない状況です。
チクングニア熱は、ワクチンや予防薬、治療薬はありません。
そのため、治療は発熱や関節痛などへの
対症療法が基本となります。
ただ、デング熱同様に、重症化する確率はあまり高くなく、
基本的に予後は良好です。
チクングニア熱の予防は、
やはり蚊に刺されないようにすることが大切です。
チクングニア熱を媒介し、日本でも生息している
ヒトスジシマカの活動時期は5月中旬から10月下旬ですので、
この時期に屋外で活動する時は長袖長ズボンを着用し、
虫除け剤をきちんと使うようにしましょう。