アレルギーでがん予防?アレルギーのメリットを知っておきましょう。
アレルギーのメカニズムは?
花粉症やアトピー性皮膚炎に悩んでいる人はたくさんいますよね。
くしゃみや鼻水、目のかゆみ、皮膚のかゆみや湿疹に悩まされ、
うまく付き合っていかなくてはいけないのは
かなりのストレスです。
そもそも、何でアレルギーは出るのでしょうか?
アレルギーのメカニズムを再確認しておきましょう。
まず、アレルギーの原因物質となる花粉やハウスダスト、
卵、ダニなどが体内に入ってくると、
免疫機能はアレルゲンを闘うためにIgEを作り出して対抗します。
IgEはアレルゲンと闘い排除する役割を持っていますが、
同時にアレルギー症状を引き起こすヒスタミンを作り出します。
本来はIgEは体内で過剰に作り出さないように
バランスが保たれているのですが、
アレルゲンとなる特定物質が体内に入ってくると、
そのバランスが崩れてしまい、IgEが過剰に作り出されて、
ヒスタミンの分泌が盛んになり、
アレルギー症状が引き起こされるのです。
アレルギーはすい臓がんを予防する?
アレルギーを持っている人は、
アレルギー症状から解放されたいと強く願っていると思いますが、
実はアレルギーは悪いことばかりではないんです。
イタリアのヨーロッパ悪性腫瘍研究所などの
研究グループの調査結果で、
すい臓がんはタバコが強力な危険因子である一方、
アレルギー歴があるとすい臓がんになりにくい
ということがわかりました。
アレルギー歴があるとすい臓がんに3~7%なりにくいのだそうです。
すい臓がんは、発見が遅れがちで、
5年生存率が低いがんですから、
アレルギーですい臓がんになりにくいのであれば、
アレルギーを持っている人にとっては嬉しい情報ですよね。
アレルギーは大腸がんのリスクを減らす
アレルギーを持っているメリットは、
すい臓がんになりにくいというだけではありません。
アレルギーは大腸がんのリスクも減らしてくれるんです。
大腸がんは、食生活の欧米化や高齢化に伴って、
近年急速に発症数が増えているがんです。
N・タンベ氏を代表とする研究グループの発表によると、
アトピー性アレルギー疾患を持っている人は
持っていない人に比べて、
大腸がんの発症リスクが14%低下するそうです。
また、大腸がんの死亡リスクは20%低下することも判明しました。
アトピー性アレルギー疾患は免疫機能が関係していますので、
免疫機能が潜在的に大腸がんを予防している可能性があると
考えられています。
アレルギーとうまく付き合っていくのは大変ですが、
アレルギーも悪いことばかりではないんです。
アレルギーはデメリットだけではなくメリットもあるとわかると、
少し前向きな気持ちになることができますよね。