マダニによるSFTSは西日本だけではない!マダニから身を守る方法を知りましょう。
マダニ感染症は西日本だけではない!
マダニによる感染症、
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が全国に広まっています。
2013年1月に、日本でSFTSが始めて確認されて以降、
2015年8月26日までに全国で151人が感染し、
41人が死亡して、致死率は約27%となっています。
STFSは2014年までは九州、中国、四国地方など
西日本を中心に感染が報告されていましたが、
2015年になり三重県や石川県でも感染が確認され、
西日本だけではなく、東日本にも徐々に広がってきています。
また、厚生労働省の調査によると、
SFTSのウイルスを持ったマダニは、
西日本だけでなく北海道から九州まで
30道府県で確認されていますので、
東日本なら安心、北日本なら大丈夫ということはなく、
全国どこでもSFTSに感染するリスクがあるのです。
マダニの活動時期は春から秋にかけてで、
10月ごろまではマダニが生息していますので、
行楽シーズンである秋に屋外で活動をする時は、
マダニに刺されないような対策が必要になります。
マダニ対策はとにかく噛まれない事!
SFTSはその高い致死率からもわかるように、
有効な治療法は確立されていません。
発熱や出血傾向に対しての対症療法を行うのみになります。
また、SFTSの感染を防ぐワクチンも開発されていません。
そのため、SFTSから身を守るためには、
マダニに噛まれない様にするしかありません。
マダニは野山に生息していることが多いのですが、
民家の裏庭や畑、田んぼのあぜ道にも生息していますので、
屋外でのレジャーをしない人でも、
日常生活内でマダニに噛まれるリスクはあるのです。
マダニが生息していそうな場所で活動をする際には、
服装に注意しましょう。
長袖長ズボンは当然ですが、首にはタオルを巻き、
袖口は軍手の中に入れるようにし、
ズボンの裾は長靴の中に入れるか、靴下をかぶせるようにして、
マダニが入りこむ隙間をなくしましょう。
ただ、この服装は熱がこもりやすいので、
秋でも熱中症には注意し、水分と塩分補給を忘れないようにし、
少しでも体調が悪くなったら、
涼しいところで休むようにしてください。
そして、活動が終わったら、そのまま室内に入ると、
室内にマダニを持ち込む可能性がありますので、
屋外で上着を脱いでから室内に入り、
そのままシャワーを浴びましょう。
シャワーを浴びて体を洗うことで、
肌に張り付いていたマダニを流すことができますし、
噛まれていないかをチェックすることができます。
もし、噛まれてしまったらどうする?
マダニに噛まれないように注意していても、
もし噛まれてしまったらどうすれば良いのでしょう?
マダニは長時間吸血し続けます。
場合によっては10日以上吸血し続けますので、
吸血中のマダニを見つける可能性もあります。
吸血中のマダニを見つけたら、
無理に引き剥がさずに皮膚科を受診して、
病院でマダニを取ってもらってください。
自分で引き剥がすと、
マダニの一部が体内残って化膿することがあります。
また、刺された痕跡を発見した場合は、
数週間は体調の変化に注意し、
発熱などの症状が出たらすぐに医療機関を受診し、
マダニに噛まれた経験があることを伝えましょう。
発見が早ければ、
それだけ重症化するリスクが低くなり、致死率が下がります。
SFTSは2013年に初めて発見された感染症ですが、
突然増えたわけではなく、それまではただ未確認で、
SFTSと診断されなかった症例がたくさんあると推測されています。
SFTSは命に関わる感染症ですので、長袖長ズボンを着用し、
肌を露出しないようにして、
マダニから身を守るようにしましょう。