長時間の大音量は耳と心臓に悪い?大音量の弊害を知りましょう。
長時間の大音量は聴力低下を原因に
「ヘッドホンで音楽を聴く時には、大音量にしている」、
「コンサートやクラブなど
大音量の音楽が流れている場所に頻繁に行く」
という人はいませんか?
長時間、大音量の音楽や音を聞いていると、
耳に負担をかけて聴力が低下する可能性があるんです。
大音量による聴覚低下を、音響外傷や音響性外傷と言います。
大音量は強力な音波になります。
その強力な音波は内耳の蝸牛に障害を与えるんです。
人の耳の構造は、
ある程度大きな音量に耐えられるようになっていますが、
限界を超えた音量に長時間さらされると、
内耳がダメージを受けるんです。
内耳にダメージが加わると、
耳の痛みや耳の閉塞感などの症状が現れ、
その後に耳鳴りや聴力低下などが起こります。
この音響外傷は自然回復する場合が多く、
予後は比較的良好な疾患ですが、
100%必ず回復するというわけではなく、
聴力が低下したまま元に戻らないという場合もあるので注意が必要です。
長時間の大音量は心疾患のリスクアップにも
長時間の大音量は、音響外傷を招くだけではありません。
なんと、心疾患のリスクを上げる可能性があるんです。
アメリカのケンタッキー大学が
20~69歳の5000人以上の健康状態や
生活習慣などのデータを分析したところ、
両耳に高音域の聴力障害を持つ人は健康な人に比べると、
約2倍も冠動脈性疾患(心筋梗塞や狭心症など)を発症するリスクが
高いことがわかりました。
また、職業上大音量にさらされる機会が多い50歳以下の人では、
冠動脈性疾患の発症リスクが4倍も高くなったんです。
今回の研究では、なぜ長時間の大音量が心筋梗塞や
狭心症などの冠動脈性疾患の発症リスクを上昇させるのかは
明らかにはなっていませんが、
健康な人に比べて仕事柄大音量にさらされる機会が多い人は
冠動脈性疾患のリスクは4倍もあるわけですから、
大音量は耳だけではなく
心臓にも悪影響を与えることは間違いないんです。
大音量から健康を守る生活とは
では、大音量から耳や心臓を守るためには
どうしたら良いのでしょう?
まず、仕事で大音量にさらされることがない人、
趣味の範囲で大音量にさらされる機会が多い人は、
音楽を聴く時のボリュームを少し小さめにしましょう。
最初は、物足りなく感じるかもしれませんが、
すぐに慣れますので大丈夫です。
音響外傷で聴力が低下したら音楽を楽しめませんし、
心筋梗塞を起こしたら、命すら危うくなります。
もし、あなたが仕事上で大音量にさらされる場合は、
可能な場合は耳栓やイヤーマフなどの
防音具を使用するようにしましょう。
防音具をつけるだけでも、
耳へのダメージを軽減させることができますし、
耳へのダメージを軽減できれば、
心臓への悪影響も減らすことができるでしょう。
過度の大音量は健康を害するものですので、
長時間の大音量は避けて、
耳と心臓に優しい生活を送りましょう。