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BCGワクチン接種が中止になるかも?BCGワクチンについて知りましょう。




結核は昔の病気ではない!

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結核というと、戦前・戦中に流行した感染症で、
衛生環境が良くなり、医学が発達した現代においては、
「結核は昔に流行した病気である」というイメージがありますが、
実はそんなことはありません。

結核は現代でもかかる可能性がある病気なのです。

しかも、先進国の中では、日本は結核患者の数が多く、
結核になるリスクが高いと言われています。

2010年の結核の新規登録患者数は2万3261人で、
罹患率は人口10万人に対して18.2人となっています。

10万人中18人以上が感染すると考えると、
結核は決して人事ではなく、
現代でもかかる可能性が十分にある病気であると言えるでしょう。

BCGで予防できる?

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結核を予防するためは、公衆衛生的な取り組みも大切ですが、
世界的に取り組まれている予防法は、ワクチン接種です。

BCGワクチンを聞いたことがあるでしょうか?

BCGワクチンは実験室で長期的培養を繰り返し、
人に対する毒性が失われて抗原性だけが残った細菌を
ワクチンとして接種することで、結核を発症させずに
結核菌に対する免疫を獲得することが可能なんです。

現在の日本ではBCG接種は定期接種となっていて、
標準スケジュールでは生後5ヶ月~8ヶ月までに
1回接種することになります。

生後1歳までにBCGワクチンを接種すれば、
小児結核の発症を52~74%程度罹患リスクを減らすことができ、
重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては
64~78%程度罹患リスクを減らすことができると
報告されています。

現在のところ、きちんと予防効果が立証されていて、
さらに実用化されている結核の予防ワクチンはBCGだけなのです。

BCGが中止されるかも?

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結核を予防するためには、
BCGワクチンの接種が有効とされていますが、
実は日本ではBCG接種が中止になるかもしれないのです。

厚生労働省の厚生科学審議会結核部会は2016年1月に、
小児結核患者の減少などを受けて、
現在は定期接種であるBCGワクチンの接種を中止、
または選択性にすることを検討するための研究を
始めることを承認しました。

世界的に見れば、
新生児や乳児にBCGワクチンを接種するのが一般的ですが、
アメリカやフランスなどの一部の国では
BCGワクチン接種を行っていないんです。

BCGワクチンの効果は小児の場合は
一定の効果が立証されていますが、
成人対象の場合は、研究によって結果にばらつきがあり、
まだきちんとした効果が立証されていないのです。

さらに日本では小児の結核患者は減少していることから、
BCGワクチン接種の中止もしくは選択性の導入が
検討されているんですね。

今後どうなるかはまだ未定ですが、
できる限り結核を予防できる方向の結論が出ると良いですね。

今後も日本での結核の動向に注視する必要がありそうです。





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2016年4月6日 | カテゴリー:予防

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