えっ、私も吸ってるの?PM2.5は中国よりも身近に存在していた!タバコに含まれるPM2.5を徹底調査
中国ばかりではない?タバコの副流煙に含まれるPM2.5
大気汚染の原因にもなる微粒子物質、PM2.5
現在も風に乗って中国大陸から飛来してきています。
人体に有害であるという事で、日本でも各自治体で
外出制限を呼びかけるなどの対策が取られているこのPM2.5ですが、
実は、タバコの副流煙にも含まれているという事を知っていましたか?
専門家によると、禁煙ではない飲食店などのPM2.5の濃度は、
中国の北京並かそれ以上であるというのです。
PM2.5の危険性とは?
さて、連日報道で騒がれているPM2.5とは
一体何者なのでしょうか?
PM2.5とは、大気中に浮遊する粒子状物質であるPMの中で、
2.5マイクロメートル以下の物質の総称です。
つまり、特定のコレ!という訳ではなく、沢山ある有害物質の中で、
2.5マイクロメートル以下の物を区切りしたモノなのです。
マイクロという単位は100万分の1の事ですから、
かなりの微粒子である事は間違いありません。
健康への被害としては、PM2.5は粒が小さいので、
肺の奥まで入りやすく、長期に渡って大量に吸い込むと健康被害を起こします。
喘息や肺がんなどの呼吸器系の疾患ばかりでなく、
心筋梗塞や脳卒中、糖尿病、ガンという病気のリスクを高めるそうです。
このPM2.5は、タバコばかりではなく、
工場の排煙や自動車の排ガスにも含まれています。
中国から飛来する危険物質のイメージが強いPM2.5ですが、
身近な場所で私達は吸い込んでいる可能性があるのです。
特に危険な室内のPM2.5
産業医科大学・健康開発科学研究所の大和浩教授は、
次のように警鐘を鳴らしてしています。
「中国からのPM2.5の飛来はせいぜい冬場の3カ月、
年間にならせば健康への影響が問題となる量ではない。
健康への影響で考えるなら、
むしろ禁煙ではない飲食店などの受動喫煙が大きな問題」
そう、中国から飛来するPM2.5の健康被害よりも、
禁煙されていない飲食店でのPM2.5の被害のほうが遥かに深刻なのです。
分煙してもタバコの煙は入り込む、飲食店の現状
では、禁煙ではない飲食店のPM2.5濃度はどの程度なのでしょうか?
日本ガン学会などの18の学会でつくる
「禁煙推進学術ネットワーク」が喫煙可能な喫茶店で測定した所、
平均が371マイクログラムと北京市の屋外と同レベル
であるという事が分かりました。
分煙としてガラス壁で喫煙席が分離されている場合でも
入口がエアカーテンの場合には禁煙席にも煙が流れ込み200マイクログラム。
と、国が定める環境基準値である
一日35マイクログラムを6倍以上上回っています。
室内PM2.5に関しては対応が遅い日本
世界32カ国の室内の空気環境を比較した調査によると、
建物内が全面禁煙になっている国の場合には、
室内のPM2.5の濃度は8~22マイクログラムだったのに対し、
喫煙が容認されている国では、その数倍、最大では22倍高いという報告がでました。
タバコの煙には約70種類の発ガン性物質が含まれています。
受動喫煙防止法を導入した国では、
心筋梗塞などのリスクが減ったとの報告も出ています。
これを考えますと、飛来するPM2.5に大騒ぎしている日本政府は、
より身近なタバコの害に、より強く取り組む必要があります。
PM2.5の健康被害は、呼吸器の疾患がある人や高齢者、
子どもにより強い影響を及ぼします。
分煙ではなく、完全な室内禁煙こそが、
PM2.5の健康被害を予防する最適な方法と専門家は指摘しています。
愛煙家には耳の痛い話かも知れませんが、
最低限のマナーとして人がいる場所では喫煙をしないという決断が求められます。