放射性物質による内部被ばくを防ぐ方法は、健康的な生活を送ること。食生活に注意しましょう。
内部被ばくについての新常識
福島原発の事故によって、大気中、海洋を問わず
大量の放射性物質がばらまかれる事態になりました。
事故に関して東京電力や政府の責任を追及するのは
大事ですが、それとは別に体内に入ってくる
放射性物質に注意しないといけません。
まず、被ばくに関しては内部被ばくと
外部被ばくがあるという事を知っておく必要があります。
内部被ばくと外部被ばくの違い
放射性物質には、α線やガンマ線、
β線のような種類があり、飛んでいく飛距離も違います。
これらの放射線が体内を貫通する事を
外部被ばくといいます。
外部被ばくは、貫通していく時に
人間の細胞やDNAに傷をつけます。
しかし、外部被ばくは、その瞬間だけの事なので、
内部被ばくよりは害が軽いと言えます。
問題は、放射性物質を体内に取り込んだ場合の
内部被ばくです。
体内に取り込まれた放射性物質は、肺や骨、
肝臓のような特定の部分に留まり、
放射線を放出して周辺の細胞やDNAを傷つけていきます。
これは、放射性物質が体外に排出されるか、
半減期を迎えるまで、永遠に繰り返されます。
半減期とは、放射性物質が無害化する期間ですが、
それはヨウ素の1週間から、セシウムの30年間、
ストロンチウムの数万年と幅が広いのが現状です。
一度取り込んでしまうと一生付き合う事になる物も
多いのです。
一過性の外部被ばくに比較して、内部被ばくは、
永遠と繰り返されるので、遥かに危険なのです。
放射性物質を取り込んでしまう、人体の不思議
人体には、免疫という機能があり、
体に有害と判断されたものは排出されるという
メカニズムがあります。
これを考えると、放射性物質を吸収しても
体外に排出されるのではないか?と思います。
しかし、ここに放射性物質の恐ろしさが隠れています。
放射性物質には、人間の体に必要な栄養素に
似ているものが多いのです。
例えば、ヨウ素131は、人体に必要な栄養素である
ヨウ素にそっくりな形をしています。
ヨウ素は海藻類に含まれる必須の栄養素で、
人体は自然にこれを取り込んでしまうのです。
免疫は、ヨウ素131と天然のヨウ素を
見分ける事が出来ません。
ですから、体内にヨウ素が不足していると、
体は危険な放射性ヨウ素を体内に取り込んでしまうのです。
ヨウ素以外にもある、栄養素に似た放射性物質
ヨウ素以外にも、例えばストロンチウムと言う
放射性物質は、カルシウムに似ていて、骨に蓄積されます。
セシウム137は、カリウムやナトリウムに似ているので
これも体内の臓器に溜まっていきます。
そして、留まった臓器で、放射線を飛ばし続けて
ガンのような複数の病気を引き起こすのです。
内部被ばくを防ぎたいならば偏らない食生活から
残念ながら、内部被ばくを完全に防ぐ手立てはありません。
余りにも放射性物質は広がり過ぎています。
それに食物連鎖でも体内に入るので、
完全に入れないというのは不可能なのです。
しかし、栄養不足を起こさない食生活を送っていれば、
一度入った放射性物質は排出されてしまうので
体内に定着しません。
放射性物質の恐怖を予防する為には、
健康的な生活を送るのが一番大事です。