肥満に関わる遺伝子を発見!ただし、全ての肥満が遺伝子の変異で起きているわけではありません
太るべくして太る人?
遺伝子レベルで太ってしまう人がいる・・・。
こう聞くと、合点がいったような気がします。
世の中を見渡してみると、肥満には、
失礼ながら太るべくして太っているというか、
おデブが似合っているタイプと、
本来太るはずのない人が自堕落に太ってしまったタイプ
があるように感じませんか?
遺伝子的に、太るのが当然である人と
そうでない人がいると言われれば、
なるほどと膝を打ちたくなります。
エネルギーを倹約しようとする遺伝子
以前より、太りやすく痩せにくい体質があることは
指摘されていました。
日本人の1/3はこのタイプにあたると
いわれています。
「倹約遺伝子」という言葉を
耳にしたことはありませんか?
特に活動しなくても、
生きているだけでエネルギーを消費することを
基礎代謝といいますが、
その基礎代謝が平均より15~20%少ない人がいます。
このような体質の人は、
いくつかの遺伝子に変異がある場合が多く、
当然太りやすくなります。
「水を飲んでも太る」というのは、
あながち言い訳ばかりではないということですね。
新たに解明された、太る体質を招く遺伝子変異
今回、2013年7月に発表されたのは、
名古屋大学とハーバード大学、
ケンブリッジ大学との共同研究による、
肥満にかかわる遺伝子の働きです。
「MRAP2」という遺伝子を欠損させたマウスは
重症の肥満になることがわかっていましたが、
なぜそうなるのかは解明されていませんでした。
そこで、MRAP2欠損のマウスが
どのような状態になっているかが
詳しく調査されました。
肥満の原因としては、
1.食べ過ぎ
2.運動不足
3.栄養過多
4.新陳代謝の低下
が考えられますが、調査の結果、このうち、
2、3、4にはあたらないことが判明しました。
このマウス達は、正常なマウスに比べて
やや過食になっていましたが、それだけではなく、
MRAP2を欠損させていない兄弟のマウスと
同量のエサしか与えなくても、
太ってしまうことがわかったのです。
遺伝子のせいで、同じ量を食べても太る身体に
今後は、人間についても
同様の遺伝子変異を特定できれば、
将来の肥満予測に役立てることができる
ということです。
実験でわかったことは、
同じ運動量、同じ栄養吸収、同じ新陳代謝で、
その上まったく同じものを同じ分量で食べていても
遺伝子の変異により太りやすい体質がある
ということです。
もちろん、摂取カロリー>消費カロリーという生活を
続けていれば、遺伝子に関係なく肥満に陥りますが、
そうでなくても太ってしまう人がいる
ということなのですね。