寒さで手足が真っ白に?レイノー現象って何?とにかく手足を冷やさないことが大切です
レイノー現象とは?
冬の時期に暖かい屋内から寒い屋外へ出たときや
冷水を使ったときに、
寒さの刺激で指先が真っ白に変化した後、青紫になり、
さらに赤くなって、
チクチクとした痛みや痺れが出たことはありませんか?
これはレイノー現象かもしれません。
レイノー現象とは、寒さなどの刺激により、
一時的に手足のなど末端部分の血流が
動脈の痙攣によって悪くなって、皮膚が蒼白となり、
動脈の痙攣が終わると、毛細血管が拡張することで
うっ血状態になるため、青紫から赤へと
皮膚の色調が変化する現象のことです。
レイノー現象は数分から数時間続き、手足の指だけでなく、
耳や鼻にも出ることがあります。
また、患者の男女比は1:4~5と
女性は男性の4~5倍も患者数が多いという特徴があります。
通常のレイノー現象は、そのままにしておいても、
自然に血流が戻って、皮膚の色調も回復しますが、
日本大学医学部の大石教授は
「寒冷のほかに精神的ストレスでも起こり、
長期にわたって繰り返すと、
皮膚が壊死したり潰瘍を生じたりする恐れがあります」
と注意を促しています。
レイノー現象の原因は?
レイノー現象は、
原因となる基礎疾患がある場合を「レイノー現象」、
原因となる疾患がない場合を「レイノー病」
と呼んで区別しています。
原因疾患がないレイノー病は、
若い女性(20歳前後)の患者が多く、
症状は比較的軽度で、予後も良好であり、
特に積極的な治療が必要ないケースがほとんどです。
レイノー現象の基礎疾患は、
バセドウ病などの膠原病や白血病などの血液系の疾患、
悪性腫瘍(がん)、局所性の外傷など
様々な原因がありますが、
膠原病の場合は「自分が膠原病である」と
気づかないことも多いですので、注意が必要です。
基礎疾患があるレイノー現象は、
原因疾患がないレイノー病に比べて症状が重く、
基礎疾患を治療しないと症状が改善しませんので、
適切な治療を受けるためには、
原因疾患を見極める必要があります。
レイノー現象が出た場合は、
思い当たる基礎疾患がなくても、
とりあえずかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。
レイノー現象の予防
症状が軽いレイノー現象の場合は、予後が良いため、
それほど注意する必要もないかもしれませんが、
痛みを伴うものですし、
重症になると皮膚の壊死や潰瘍形成につながるため、
レイノー現象が起こらないように、
できるだけ予防法を実践していく必要があります。
レイノー現象そのものを改善させるためには、
基礎疾患の治療が必要不可欠ですが、
日常生活の中でもレイノー現象を予防することは可能です。
レイノー現象の予防法は、
とにかく手足を冷やさないことです。
寒冷刺激によって、
動脈が痙攣してレイノー現象が起こりますので、
冷たい水は使わない、
靴下や手袋を着用するなどを行うだけでも、
レイノー現象の頻度は減ります。
また、喫煙やカフェインの摂取、
きつい下着の着用などは、
血流を妨げる原因となりますので注意しましょう。