中国で流行が拡大している「鳥インフルエンザ」が日本にやってくる可能性は?
去年を上回る患者数
2013年3月31日に中国の上海で
鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者が発表されてから、
4月5月は中国で続々と感染者が確認されましたが、
夏以降は感染者が減り、
一度は収束したように見えましたが、
11月になってからまた感染者が増え始めています。
そして、2014年に入り流行の拡大はさらに加速し、
週ごとの感染者数は去年のピーク時を超え、
2014年の感染者は100人以上に上っています。
また、昨年の流行に比べて、
感染が確認された地域も広がりつつありますし、
感染者は高齢者中心だったのが
若者の感染者が増えてきています。
日本への感染拡大の危険性=春節
鳥インフルエンザ(H7N9型)は、
現時点で中国、香港、台湾でのみ
感染者が確認されていて、
日本ではまだ感染はありません。
ですが、今後日本で
感染者が確認される可能性は十分にあります。
その理由のひとつが「春節」です。
春節とは、中国での旧正月のことで、
2014年は1月31日から2月6日までが連休になります。
春節の時期は、帰省したり旅行する中国人が多く、
今年の春節には5万人の中国人観光客が
日本に来ると予想されています。
流行が拡大している中国本土から
多くの中国人が来日すれば、
その中に鳥インフルエンザの感染者がいる可能性が
高まりますので、
日本で感染者が確認される事態になるかもしれません。
日本への感染拡大の危険性=人から人への感染
通常、鳥インフルエンザは鳥から人へ感染し、
人から人へは感染しません。
でも、H7N9型は限定的ではありますが、
人から人への感染が確認されています。
1月29日には中国の杭州市で一家3人が
連続して発症したというケースがありました。
これを受けて、欧州疾病対策センターは、
鳥インフルエンザ(H7N9型)は遺伝子が
季節性インフルエンザのものと入れ替わり、
人に感染しやすくなる恐れがあると警告しています。
もし、感染者が日本に入国して発症し、
人から人へ感染したら、
日本でも感染が一気に広がる恐れがあります。
自分でできる対策
鳥インフルエンザを日本で拡大させないため、
政府や関係省庁は情報の共有や
注意喚起などの対策を行っていますが、
それだけでは感染は防ぎきれないかもしれませんので、
自分でできる対策を行っていきましょう。
まずは、正しい知識を持ち、
最新の情報を入手しておくことです。
鳥インフルエンザの流行状況や
発症した場合の症状などを確認しておきましょう。
もし、自分や周囲の人が感染した時、
正しい知識を持っているかどうかは
非常に重要になります。
次に、もし高熱や呼吸器症状など
鳥インフルエンザと疑われる症状が出た場合は、
すぐに医療機関を受診しましょう。
中国で流行が拡大し、
重症患者が増えている要因のひとつに、
発症しても病院に行かず、
適切な治療を受けていない人が多いという
中国の医療事情が関係していることが考えられます。
鳥インフルエンザ(H7N9型)は
タミフルが有効とされていますので、
体内でウイルスが増殖する前にタミフルを服用すれば、
重症化を防ぐことができます。
鳥インフルエンザの症状は、
季節性インフルエンザの症状と似ていますが、
どちらの場合でも発症後すぐに
医療機関を受診することが大切です。