眠りながら暴力・歩行などの行為?寝ている時に起こるレム睡眠行動障害とは?
眠っている時に突然体が動く?!
普通、眠っている時は、身体は寝返りをうつ程度で、
基本的にあまり動きませんよね。
でも、突然体が動き出すという病気があります。
それは、レム睡眠行動障害という病気です。
眠っている時に体が動き出す病気で、
最初に思い浮かぶのは夢遊病だと思います。
夢遊病は動いている間の記憶がないことが特徴ですが
レム睡眠行動障害は眠っている間の言動が
見ている夢と一致していますので、
自分がどんな言動をしたのか
覚えていること多いんです。
レム睡眠行動障害の症状
レム睡眠行動障害の症状には、
殴る・蹴るなどの粗暴な行動やはっきりとした寝言、
歩行などがあります。
睡眠は浅い眠りである「レム睡眠」と
深い眠りの「ノンレム睡眠」に
分けることができますが、
レム睡眠行動障害はその名のとおり
レム睡眠時に起こります。
レム睡眠は脳は覚醒していますが、身体は眠っていて
全身の骨格筋の緊張が低下している状態です。
しかし、レム睡眠行動障害の場合、
何らかの原因で骨格筋の緊張が
低下せずに保たれた状態になるため、
夢で見たことをそのまま行動に移してしまうのです。
レム睡眠行動障害は、
殴る・蹴るなどの暴力行為も多いため、
一緒に寝ている人に怪我をさせることもありますし、
場合によっては自傷行為となることもあります。
レム睡眠行動障害の原因
レム行動睡眠障害の原因として明らかなものは、
脳など中枢神経系に異常がある場合です。
具体的な疾患としては、
脳幹部の脳腫瘍やパーキンソン病、
オリーブ橋小脳萎縮症、レヴィー小体病、
頭部外傷、髄膜炎などがあります。
でも、約半数は基礎疾患がなく、
原因不明となっています。
ただ、過剰なストレスやトラウマ、
アルコールの過剰摂取、
睡眠不足が引き金になることもあります。
レム睡眠行動障害は0.5%の人が発症する
というデータがあります。
200人に1人がレム睡眠行動障害を
患っていることになりますので、
意外に身近な病気と言えるかもしれませんね。
また、発症は60代以降の男性に多く、
加齢と共に症状が悪化することもあります。
レム睡眠行動障害の治療法
睡眠中の粗暴な行動やはっきりとした寝言などの
レム睡眠行動障害が疑われる症状がある場合は、
その症状が出た時に一緒に寝ている人が起こして、
夢の内容を聞き行動と一致するかどうか
記録しておくようにしましょう。
その記録は、医療機関を受診して診断する際に
夢遊病ではないことを明確にし、
正しい診断を下すことに役立ちます。
治療方法は、抗てんかん薬である
「クロナゼパム」が効果があり、
有効率は70%前後と言われています。
またレム睡眠行動障害の誘因である
過度のアルコールやストレス、
睡眠不足などがある場合は、生活習慣を整え、
これらの誘因をなくすようにしましょう。