もやもや病って何?もやもや病の症状や治療法について知りましょう。
もやもや病とはどんな病気?
もやもや病という病気を知っていますか?
「もやもや病」という名前だけを聞くと、
なんだか精神科関連の病気で、「気分がもやもやして晴れない病気」
というイメージを持つかもしれませんが、
もやもや病は精神科の病気ではありません。
もやもや病は脳血管障害、
つまり脳神経外科の病気なんです。
もやもや病は頭蓋内の内頚動脈の終わりの部分や
前・中大脳動脈近位部に狭窄または閉塞があって、
その狭窄部や閉塞部周辺に
異常な血管網が発達していることが特徴です。
脳の動脈に細くなっているところや詰まっている部分があると、
そこから血液が流れにくくなりますので、それを補うために、
異常血管網が発達するようになったと考えられています。
この異常血管網がまるで
もやもやっとしたクモの巣のように見えるために、
「もやもや病」と名付けられました。
もやもや病はこの異常血管網が発達しているために、
脳の血管の一部が狭窄・閉塞していても
脳細胞が壊死することはないのですが、
異常血管網の問題は細くて脆いことです。
細くて脆いために、
異常血管網は脳虚血や脳出血を起こしやすいのです。
もやもや病の症状は?
もやもや病は、異常血管網が
脳虚血や脳出血を起こすことが怖い病気ですが、
もやもや病になるとどんな症状を起こすのでしょうか?
もやもや病の典型的な症状手足の麻痺です。
また、言葉が出なくなったり、
ろれつが回らないなどの言語障害が起こることもあります。
さらに、口の周りの痺れや頭痛が現れたり、
けいれん発作や手足の不随意運動が出ることもあるんです。
また、小児のもやもや病と成人のもやもや病では症状が違うことが多く、
小児は知能障害や反復性の頭痛、脱力発作や痙攣、
失神などが起こりやすく、成人では脳出血や脳梗塞、
片麻痺、頭痛、意識障害などが起こりやすいという特徴があります。
もやもや病の治療
もやもや病の治療は手術療法が最も効果があります。
手術で狭窄部や閉塞部を改善するのではなく、
異常血管網に変わる新しい血液供給路となるバイパスを
通す手術になります。
新しく丈夫な血液供給路を通すことで、虚血や出血を防ぐのです。
また、抗血小板薬を服用して、血液を固まりにくくすることで、
虚血を防ぐ治療も行われています。
もやもや病は急速に進行して、脳出血や脳梗塞を引き起こし、
麻痺や言語障害などの後遺症が残る場合もありますが、
もやもや病がわかってから何年も何十年も進行せずに
変わらない場合もあります。
ただ、いつどんなきっかけで進行するかがわかりませんので、
日常生活に支障がない状態でも、定期的にMRI等で検査し、
進行状況を確認していかなければいけません。
もやもや病は日本人に多く、
また遺伝的な要因があることがわかっていますので、
もし家族にもやもや病の既往がある人がいる場合は、
定期的に検査を受けておく方が良いでしょう。