マダニを介する感染症SFTS、症状を知り、自分で出来る予防対策を行いましょう
死亡者も出ているマダニ感染症
ダニと言えば、ペットを飼っている家庭では、
身近な存在かも知れません。
しかし、このダニ、
古来から伝染病を媒介する存在として有名でした。
近年、野外のマダニを介して感染する
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が話題になっています。
現在の所、鹿児島県の成人女性がSFTSに感染して死亡する事例を含め、
国内でのSFTSの感染者は10人目、死亡者は6名となりました。
罹患者の人数から考えると、60%が死亡しているのは、
かなりの高確率と言う事になります。
では、このSFTSとは、どのような感染症なのでしょうか?
2009年に中国で発見されたSFTS
2009年の3月から7月にかけ、
中国の山間部で原因不明の病気が集団発生しました。
それが2011年にSFTSウィルスと確認されたのです。
現在、中国では7つの省で、
患者が200人以上も発見されていますが、
日本で発見されたSFTSウイルスとは型が違うそうです。
SFTSウイルスとは、どういう病気なのか?
SFTSとは、重症で熱が出て、血小板が少なくなる病気
という英語の頭文字を取ったものです。
文字通り、最終的には、
血液中の血小板が破壊されてしまう事になります。
この血小板は、出血を止める働きをしている大切なもので、
これが破壊されると、体全身から出血して死に至ります。
感染したらどういう症状が出るのか?
このSFTSウイルスは、マダニが持っていて、
このマダニに咬まれてから、6日から2週間の潜伏期間を経て発症します。
初期症状は、
発熱やだるさ、食欲低下、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢と多岐に渡ります。
他にも神経症状が出現するので、
すぐにただならない病状だと分かると思います。
症状がさらに進行すると、皮下出血、血尿、血便、下血と、
血小板を破懐された事による出血の症状が出始めます。
病院において、SFTSウイルスの検査をすると、
ウィルス感染が確認されますので、その時点で感染確認がなされます。
治療法や致死率は、どれ位存在するのか?
SFTSウイルスに抗ウイルス薬やワクチンはありません
症状に応じた対処療法があるだけです。
ただ、感染してすぐに死亡するというような事はなく、
重症化してしまうと危険であると言えます。
日本では、感染者の数が少なく、致死率のデータは出ていませんが、
中国の事例では、10%前後だと言われています。
これは、低い数字ではありませんが、感染したらおしまい
という病気ではないという事は確認しておきましょう。
感染を防ぐには、どうすればよいのか?
SFTSウィルスはを媒介するマダニは、
春から夏にかけてが感染のピークです。
この時期になると、
マダニは活動を活発にして、生物にくっつき吸血します。
人間もその例外ではないので、
山歩きをする人は、服装に気を付ける必要があります。
特に、軽装で皮膚が露出するような服装はいけません、
ここにマダニがついてしまうからです。
マダニは40種類以上もいますが、現在の所、
SFTSウイルスを持っているマダニが、どれか特定されていません。
つまり、どのマダニに咬まれると
SFTSウイルスに感染するかは分からないのです。
ですから、山歩きをする人は、
皮膚を露出しないように注意しましょう。
マダニは、草むらの葉っぱの裏にも隠れていますので、
肌の露出した服を着ている時は草むらには入らないようにしましょう。
まだまだ、分からない事が多いSFTSウイルス
実は、現在、日本でSFTSウイルスに感染して
死亡が確認されている6名に関しては、
マダニに咬まれたという報告はありません。
それ位に、日本のSFTSウイルスは、
分からない事が多い病気なのです。
だからと言ってパニックになる訳にもいきませんが、
テレビや新聞のニュースには目を通して知識を蓄えましょう。