食事面での要因がある「うつ」。セロトニンが不足している食生活が原因かもしれません。
日本の国民病、うつ と食事の関係性
うつは、日本の国民病とも言える病気です。
日本の人口1億2000万人の中で、
うつの患者数は600万人とも言われます。
単純計算では、20人に一人がうつ患者という事になり
決して他人事ではない程に身近な病気なのです。
うつは、精神的な病気ばかりでもないかも知れない
このうつ病は従来は、不安や頑張り過ぎのような感情が
ストレスとして重くのしかかり、
心に変調をきたすと考えられていました。
しかし、近年の研究から、どうも、うつ病は
心的な理由ばかりではなく、日頃の食生活の偏りから
起きるのではないかと考えられています。
例えば、極端なダイエットを繰り返す若い女性は、
直後にうつ症状を発症する事が多いという研究結果もあります。
そこには、うつ病には、
食事面での要因があるのではないか?と思われてきたのです。
うつ病を引き起こすかも知れない、セロトニン不足
うつ病患者の脳を調べると、共通して、
セロトニンという物質が不足しているのが分かってきています。
セロトニンは、人間の感情を安定させる為のアミノ酸の一種です。
これはトリプトファンというアミノ酸から作られていますが、
トリプトファンは、体内で作る事が出来ません。
そこで、トリプトファンの不足が、
セロトニン不足を産み出しているのではないか?
と考えられたのです。
トリプトファンが含まれる食材
セロトニンの基本物質であるトリプトファンは、
食品中のたんぱく質が多いモノ程に多く含まれています。
主にトリプトファンが含まれる食材としては、
肉、魚、豆、種子、ナッツ、豆乳などがあります。
ただ、サプリメントでトリプトファンだけを
摂取する場合には、注意が必要です。
過剰摂取で肝硬変を起こす可能性があるからです。
ダイエットとトリプトファンの関係
トリプトファンの多く含まれている食品を見て見ると、
たんぱく質というダイエットには大敵になる成分に
多い事が分かります。
しかし、太るからと言ってこれらのたんぱく質を
遠ざけてしまうとセロトニン不足が起こり、
うつ病の危険性が上がってしまいます。
また、トリプトファンを作るには、
たんぱく質ばかりではなく、ビタミンB群やマグネシウムも
必要になるのです。
極端なダイエットはうつ病への赤信号
また、脳を正常に動かすには、ブドウ糖の摂取が
欠かせませんが、これはご飯やパンに含まれます。
ストレスと戦う物質としては、コレステロールもあります。
嫌われ者のコレステロールですが必要な栄養素なのです。
ダイエットをすると結果を急ぐ余りに、
必要な栄養素までカットしてしまいがちですが、
注意しないといけませんね。