音楽を楽しむためには、音量に注意して、音響外傷を予防しましょう
音響外傷とは
音響外傷って聞いたことがありますか?
音響外傷とは、大きな音や強い音を聞くことで、
内耳にダメージが起こり、耳の閉塞感や耳の痛み、
耳鳴りや難聴などが症状として現れることです。
また、内耳は平衡感覚を司っている器官でも
ありますので、場合によっては、
めまいなど平衡感覚に異常が出ることもあります。
音響外傷の原因には、
爆発音や落雷など突発的な大きな音以外に、
大音量での音楽再生なども含まれます。
最近は、
ヘッドホンで大音量の音楽を聴く若者が増えていて、
これが原因で音響外傷になるケースが急増しています。
そのため、音響外傷は別名ヘッドホン難聴とも
呼ばれています。
また、夏になると、
夏フェスなどの野外コンサートが多くなります。
野外コンサートでは、大きなスピーカーで
大音量の音楽を流しますので、耳への負担が大きくなり
音響外傷になることも珍しくはありません。
音響外傷の治療法
通常の場合、1~2日で症状が改善し、
自然に治ってしまうことが多いのですが、1~2日経っても
難聴や耳鳴りなどの症状が消えない場合は、
耳鼻科を受診する必要があります。
耳鼻科での主な治療方法は、
循環改善薬やステロイド薬の投与、
内耳への血行改善を目的とした
星状神経節ブロック療法を行います。
ただ、これらの治療を行ったからといって、
音響外傷の症状が100%改善するとは限らず、
重症の場合は耳鳴りやめまいなどの症状が
残ってしまうこともあります。
音響外傷を予防するには
音響外傷は、場合によっては一生症状が残り、
耳鳴りやめまいに悩まされることがありますので、
予防することが重要になります。
音響外傷を予防するためには、
大きな音を避けるしかありません。
突発的な落雷や事故による爆発音など避けられない場合は、
予防することは不可能です。
音楽に関連する場合は、
日常生活の中で予防することができますよね。
例えば、音楽を聴く時は、音量を控えめにするなどです。
特に、ヘッドホンやイヤホンを利用する場合は、
耳にかかる負担も大きいですので、注意しましょう。
また、夏フェスなど野外コンサートの場合は、
大音量のほうが迫力を感じられますし、
臨場感を味わえるのですが、
あまりスピーカーやアンプの近くで音楽を楽しむと、
音響外傷になりやすいですので、
音源から少し離れた場所で楽しむようにすると
良いでしょう。
スピーカーやアンプの場合、
音圧は音源との距離の2乗で減衰します。
そのため、音源のスピーカーやアンプから
距離があるほうが、音圧の影響を受けにくくなるため
音響外傷を予防できるのです。
大音量で聴いたほうが、音楽を楽しめるからといって、
常に大音量で音楽を聴いていると、音響外傷になり、
後遺症が残って音楽自体を楽しめなくなる
可能性があります。
そのため、日頃から音量に注意して、
音楽を楽しむようにしましょう。