インフルエンザは熱や咳だけではない!インフルエンザの合併症を知りましょう。
怖いインフルエンザ脳症
日本全国でインフルエンザが猛威を振るっていて、
各地で「警報レベル」にまで
患者数が増加しています。
インフルエンザの症状は、
高熱や咳、鼻水、のどの痛みなど
風邪と似たような症状ですので、
命に関わることはないという認識を
持っている人が多いと思いますが、
インフルエンザ脳症を合併すると、
命を落とす危険があります。
長野県立こども病院小児集中治療科は、
2014年1月中旬に持病のない9歳の男児が
インフルエンザ脳症を発症し死亡した症例を
国立感染症研究所に報告しました。
この男児は1月9日に咳や高熱などの症状が出て、
翌10日に総合病院の小児科を受診し、
解熱剤と咳止めを処方されて帰宅。
その日の午後に容体が急変し、
ドクターヘリで長野県立こども病院に
救急搬送されましたが、
インフルエンザ脳症発症後2日目に死亡しました。
今シーズンのインフルエンザは、
2009年に流行した新型インフルエンザである
H1N1pdm09型が多く検出されています。
2009年には急性脳症が増加しましたので、
今シーズンもインフルエンザ脳症が
急増する可能性が高いと予想されています。
インフルエンザの合併症
インフルエンザの合併症は、
インフルエンザ脳症だけではありません。
肺炎や心合併症(心膜炎、心筋炎)を
発症することもあります。
脳症や肺炎、心合併症は、
死に至る可能性がある危険な合併症です。
また、ウイルス性筋炎も
インフルエンザの合併症のひとつです。
ウイルス性筋炎は、
インフルエンザウイルスが原因で
筋肉がダメージを受け、腕や下肢、
特に腓腹筋やひらめ筋の筋肉に
痛みやだるさが生じます。
このウイルス性筋炎は、
インフルエンザ発症直後から回復期(2週間程度)
にかけて発症します。
通常は、安静にしていれば自然に回復しますが、
痛みが出てから2~3日経過しても、
痛みが全く改善せず、
歩くのが困難など日常生活に支障が出る場合は、
重症化している可能性があります。
筋肉のダメージが大きいと、
ダメージを受けた筋肉の成分が血液中に流入し、
腎臓に負担を与え、
急性腎不全や不整脈を起こすリスクがありますので、
入院加療が必要になります。
インフルエンザ予防は湿度に注意!
インフルエンザの予防は、
マスク着用や手洗いうがいが基本ですので、
これらの対策をしている人は多いと思いますが、
室内の温度と湿度の管理も大切です。
インフルエンザウイルスは、
乾燥した環境で活発化します。
冬は元々空気が乾燥していますが、
暖房を使うとさらに空気の乾燥は進みます。
室内の湿度が低いと、いくらマスクをして、
手洗いうがいをしても、
インフルエンザウイルスは長期間生存できますので
感染のリスクは高まります。
厚生労働省によると、湿度50~60%で
ウイルスの不活性化が高まるそうですので、
加湿器を用いて室内の湿度を適切に保ちましょう。