アルコールと上手に付き合うには?イッキ飲みの危険と悪しき習慣を断ち切る
イッキ飲みによる悲しい出来事が多発している現状
春と言えば、新卒、新入学の季節です。
しかし、おめでたいこの時期に
痛ましい事故が起きる事はあまり周知されていません。
それが、大学生らの若者の間で起こる、新入生歓迎コンパにおける
イッキ飲みによる急性アルコール中毒の死亡事故です。
飲酒で、子供を無くした保護者でつくる
「イッキ飲み防止連絡協議会」のまとめでは、
昨年では6人、今年は既に3人が死亡しています。
飲めないお酒を強要して飲ませる行為は、
新入生歓迎コンパに関わらず、どの世界にも存在する悪しき習慣です。
イッキ飲みの行為の背景には、
「お酒が飲める=カッコイイ」
「お酒が飲めない=ダサい」
という根拠のない擦り込みがあります。
また、社会人になると、勧められた酒を断る事が失礼にあたるという
風潮も存在していて、断れない雰囲気ができていることも問題です。
アルコールハラスメント、アルハラが存在すると
「イッキ飲み防止連絡協議会」は警鐘を鳴らしています。
しかし、アルコールのイッキ飲みが
いかに危険であるかという問題の周知が徹底されない限りは、
この悲劇は繰り返されるでしょう。
イッキ飲みはどうして危険なのか?
イッキ飲みがどうして危険であるかは、
人間のアルコール分解能力と大きく関係しています。
実は、血中のアルコール濃度が最高潮に達するのは、
飲酒を開始してから30分から1時間の後なのです。
イッキ飲みは、極めて短時間の間に大量のアルコールを
摂取する事で成り立ちますが、これは非常に危険な行為です。
この短時間の間に、肝臓の分解能力を超える
アルコールを摂取してしまうと、処理が追いつかなくなるのです。
そして、動悸、息切れ、吐き気、めまい、意識傷害を
引き起こす事になります。
最悪の場合には、呼吸器系が麻痺してしまい、
嘔吐物が喉に詰まる事になり、呼吸停止から死に至ってしまうのです。
人間の体は、アルコールを入れてから血中濃度が上昇するまでに
30~60分の誤差があるという事を頭に入れておきましょう。
空腹時にイッキ飲みをするのは最悪の行為
これは、イッキ飲みに関わらずですが、お腹が空腹の状態で
アルコールを大量に飲むのは、絶対に止めましょう。
空腹時にアルコールを胃に流し込むと、胃や小腸は、
これを栄養分と勘違いして、いきなり体内に吸収します。
すると、通常の何倍ものスピードでアルコールの
血中濃度が急上昇して、肝臓の処理が追い付かなくなるのです。
お酒を飲む席では、必ず何かを食べてから飲むようにしましょう。
もちろん、イッキ飲みなど絶対行ってはいけません。
日本人の半分はお酒に弱い!
よく、「お酒は飲めば、飲むほど強くなる」
という俗説がありますが、あれは全く根拠がない嘘です。
統計では、日本人の40%はお酒に弱く、その中の4%の人には
アルコールの分解酵素がありません、つまり全く飲めないのです。
飲み会の席に20人の出席者がいれば、この中の8人は下戸(げこ)で、
さらに1名は、お酒を飲ませてはいけない体質なのです。
あなたが、酒の席で、加害者や被害者にならない為にも、
この統計は覚えておきましょう。
飲めない人間に、「お酒は飲めば強くなる」などと言う
根拠のない俗説を言わないように気をつけましょう。
お酒は決して無理強いしない事!
イッキ飲みは、体のタイムラグの隙をついた、
極めて危険な飲酒方法だと言う事が分かって頂けたでしょうか?
短時間だから大量に酒を飲めるというのは、
自分の体を危険にさらす、愚かな行為だと覚えておきましょう。
周囲の人間にも周知をして、お酒にまつわる俗説を
払拭(ふっしょく)していかなければいけません。
お酒は適量なら、人間関係を円滑にし、健康増進にも役立つ百薬の長です。
しかし、付き合い方を間違うと、
人生を台無しにしかねない悪魔の飲み物にもなるのです。