O脚や鳩胸になる「くる病」が増えている!くる病から子供を守るには?
くる病とは?
くる病という病気を聞いたことはあるでしょうか?
くる病は乳幼児に起こる病気の一つで、
簡単に言うと四肢や脊椎などの骨格に
異常が出るものです。
具体的な症状には、
重度のO脚など脚が曲がって成長したり、
肋骨念珠(肋骨の一部がこぶのように膨らむ)、
鳩胸(肋骨の前方突出)、関節が膨らむ、
頭蓋骨が柔らかくなる、
乳幼児期でも身長・体重がストップする、
筋力低下などがあります。
くる病の主な原因にはビタミンD不足があります。
ビタミンDは、体内でカルシウムやリンなど
骨を丈夫にするミネラル類を
骨に定着させる働きがありますが、
ビタミンDが極端に不足することで、
カルシウムなどが骨に沈着せず、
骨が柔らかくなってしまい、
骨格が変形してしまうのです。
また、ビタミンD不足以外にも
遺伝が原因でくる病になることもあります。
くる病の子供が増えている
くる病の原因は、ビタミンD不足です。
戦中や戦後など食糧が十分でなかった時代には、
子供がビタミンD不足になりやすく、
くる病は珍しい病気ではありませんでした。
しかし、その後は食糧事情が改善し、
栄養状態が良くなってからは、
日本ではくる病になる子供はほとんどおらず、
非常に珍しい病気として
捉えられるようになりました。
しかし、21世紀に入ってから
くる病の子供が増えているんです。
東大病院では、くる病と診断された子供は
ここ10年で約100人にも及ぶとのことです。
くる病が増加している原因として、
偏った食事と日光浴不足があげられます。
最近は食物アレルギーを持つ子供が増えていますが、
食物アレルギーでビタミンDが豊富な
卵などの食品摂取を制限されているため、
ビタミンD不足になりやすいのです。
また、食物アレルギーではなくても、
アレルギーが起こることを心配して
自己判断で子供に与える食品を
制限しているケースも増えています。
また、ビタミンDは食物からだけでなく、
日光を浴びることで体内で合成されますが、
最近は紫外線の悪影響ばかりが取り上げられることが多く
「日光浴=健康に悪い」という認識が広がり、
できる限り屋内で過ごし、
子供が日光に当たらないようにしている
という保護者が増加しているのです。
くる病を予防するためには
くる病から子供を守るためには、
ビタミンDが豊富に含まれている
卵や魚を積極的に摂取することです。
離乳食の頃から、
上手にこれらの食材を使っていきたいですね。
もし、これらの食材に
食物アレルギーを持っているなら、
ビタミンDの補給方法などを医師に相談しましょう。
また、アレルギーが心配だからといって、
アレルギーがないのに自己判断で
食品を制限するのは良くありません。
日光浴もくる病予防には大切です。
もちろん、日焼け止めを塗るなど
日焼けしないように注意する必要がありますが、
食品からしっかりビタミンDを摂取していれば、
日焼けしない程度の日光浴で十分です。
くる病は、簡単に予防できる病気です。
子供の健康的な成長のためにも、
日常生活からくる病を予防していきましょう。