ガーデニングや家庭菜園をする時には感染症である破傷風に注意しましょう。
土いじりは破傷風に注意!
気温が高くなってくるこの季節、
家庭菜園やガーデニング等で
土いじりをする機会が増えると思いますが、
土いじりをする際に注意すべき感染症が破傷風です。
破傷風は、日本だけでなく世界中に存在する感染症で、
破傷風菌に感染することで発症します。
傷口から破傷風菌が体内に侵入することで感染しますが
破傷風菌は嫌気性ですので、
土の中に生息していることが多く、
特に動物の糞に汚染されている土壌は
危険と言われています。
そのため、土いじりをしているときに怪我をすると、
そこから破傷風が侵入する可能性があるので、
怪我をしないように注意しなければいけません。
また、土いじり以外にも
屋外でスポーツをしている時に転んだり、
古い釘を踏んで怪我をしたりしても
破傷風に感染する危険があります。
破傷風の症状
破傷風菌は体内に侵入すると、
毒素として神経毒であるテタノスパスミンと
溶血毒であるテタノリジンを産生します。
これらの毒素により、
破傷風の症状が引き起こされます。
破傷風は3日から21日程度の潜伏期間を経た後、
口を開けにくい、舌がもつれて話しにくい、
肩が強くこわばる、顔の筋肉がひきつる、
身体が痛いなどの症状が現れた後、
歩行障害や全身性の痙攣、手足や背中の筋肉の硬直、
全身が弓なりに反るなどの症状が出て、
呼吸困難に陥り、
激しい全身性の痙攣による脊椎骨折などを伴って
死に至ります。
破傷風の死亡率は、
成人で15~60%、新生児だと80~90%と非常に高く、
予後が悪い感染症です。
破傷風の予防法
破傷風の予防は、ワクチン接種が有効です。
日本では1950年の時点で
年間患者数が1915人もいましたが、
1952年に破傷風トキソイドが導入され、
1968年に三種混合ワクチン
(破傷風、ジフテリア、百日咳)が
定期接種となってからは、患者数がどんどん減少し、
2006年には患者数年間117人にまで減っています。
現在も三種混合ワクチンは定期接種になっていて、
原則無料で受けられますので、
ほとんどの人が子供の頃に
破傷風のワクチンを接種していると思います。
ただ、子供の頃に
破傷風ワクチンを打ったからといって
安心してはいけません。
破傷風のワクチンの予防効果は非常に高く、
破傷風の予防法としては最も有効な手段なのですが、
ワクチンの効果は一生続くわけではないんです。
破傷風ワクチンによる免疫は
10年間続くと言われています。
DPTワクチンは1歳6か月頃までに計4回(追加接種を含む)
その後11歳ごろに2期に1回接種しますので、
成人になると破傷風の免疫はなくなってしまうのです。
実際に2006年の破傷風患者数は117人でしたが、
その95%は30歳以上であった
というデータがあります。
前回の接種から10年以上経っている場合は、
追加でワクチン接種を受けておいたほうが安心です。
また、土いじりをする時は、
手袋をして行うようにすると良いでしょう。