誰でも簡単にできるボランティア!献血の種類について知りましょう。
ラジオで広がる献血の輪
事故で大量出血があった場合、
手術で大量出血が予想される場合、
患者さんの命を救うものは輸血です。
現代医学は日々進歩していますが、
人間の血液の機能の一部を
代替するような薬剤は製造できても、
血液の機能を完全にカバーする薬剤はありませんので、
血液が大量に失われた場合は、
輸血をして血液を補充するしかありません。
輸血に使われる血液製剤は、
献血によって確保されていますが、
一度に何人もの患者さんが
大量に輸血が必要になった場合、輸血の在庫がなくなり、
助かる命が助からなくなるかもしれません。
2014年5月14日には、
そのような危機が福島県でありました。
福島市の病院で、妊婦が大量出血し
200ミリリットルで120人分の血液が必要となり、
病院から連絡を受けた県赤十字血液センターは
血液の在庫が尽きてしまう可能性が出たため、
ラジオで献血協力の情報発信をしたところ、
多くの人が協力を申し出て、
平日の2倍もの血液が集まりました。
この女性は一命を取りとめ、
男児を無事出産したとのことです。
このようなケースを見ると、
献血は誰でも簡単にできる命を助けるボランティアと
言えると思いませんか?
献血の種類と基準
献血には種類があることをご存知ですか?
大きく分けると、全血献血と成分献血があります。
全血献血は、その名のとおり
血管内に流れている血液をそのまま採血するもので、
200ml全血献血と400ml全血献血があります。
成分献血は、
血漿成分献血と血小板成分献血の2種類があります。
成分献血は、一旦全血採血し、
機械によって必要な成分(血漿や血小板)を分離させた後
それ以外の成分(赤血球)を体内に戻すというものです。
回復に時間がかかる赤血球を体内に戻すため、
体への負担は小さくて済むという特徴があります。
献血をするには、年齢や体重、血圧、貧血の有無、
年間献血回数などの基準があり、
献血の種類によってそれぞれ基準が異なりますので、
注意しましょう。
また、当日に体調不良があったり、
一定期間内に予防接種を受けた人、
6ヶ月以内にピアスを開けた人、
特定の病気にかかったことがある人は献血ができません。
また、海外旅行者や海外在住経験のある人は、
場合によっては献血できない場合もあります。
献血でHIV検査はできません
献血で採血された血液は、
何度も感染症の危険がないか等数回の検査をし、
安全が確認されてから、輸血に使われます。
検査は綿密に行われていますが、
100%安全性が完全に確立されているとは言えません。
実際に、昨年はHIVに感染した人が献血をし、
その血液が検査をすり抜けて
患者さんに輸血されてしまったということがありました。
日本赤十字社によると、
近年HIV検査目的で献血をする人が増えているそうです。
HIV検査目的だけでなく、善意もあり、
両方の目的で献血をしたとしても、
もしHIVに感染していたら、
せっかくの善意での献血がHIV感染を
広めてしまう原因になってしまうかもしれません。
また、献血による検査で
HIVに感染していたことが判明しても、
本人には連絡がないと言われています。
HIV検査をしたい場合は、地域の保健所に行きましょう。
保健所では、無料でHIV検査を行っていますし、
匿名で検査を受けられます。