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産後うつは、出産直後だけではない?産後うつとその予防法について知りましょう。




産後うつとは?

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無事出産を終えて、待望の我が子を抱いて、
幸せいっぱいの生活が始まるはずだったのに、
なぜか気分が落ち込んだり、ふとした時に涙が出てくる、
赤ちゃんの世話をする気力がわいてこない、
赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまうことがあります。

これは、産後うつの代表的な症状です。

妊娠から出産、産後は女性ホルモンのバランスが
急激に変化する時期ですので、
うつ病になりやすいのです。

「かわいいはずの我が子の泣き声にイライラする」、
「我が子をかわいいと思えない」というのは、
母性がない、母親失格というわけでは決してありません。

産後うつという病気のせいだからです。

ホルモンバランスが急激に変化するだけでなく、
赤ちゃんの世話なんて初体験のことばかり、
そして2~3時間ごとの授乳やオムツ交換で
毎日寝不足でクタクタという状態だったら、
産後うつになってもおかしくないですよね。

よく産後うつと似たような症状の
マタニティーブルーという言葉を耳にしますが、
マタニティーブルーは産後10日程度で
自然に回復するのに対し、
産後うつは数週間もしくは数ヶ月以上
気分の落ち込みや罪悪感、
無気力のような症状が継続するという違いがあります。

産後うつは出産4年後になりやすい?

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産後うつは、その名のとおり
出産後にうつになってしまうことです。

「産後」とはいつまでかは、明確に定義されていませんが
大体出産後1年程度が産後と
位置づけられることが多いため、
出産後1年以内にうつを発症した場合、
産後うつと診断されます。

でも、オーストラリアの調査で
産後うつは出産後1年以内よりも、子供が4歳になるころ、
つまり出産4年後のほうが
母親がうつになりやすいことがわかったんです。

オーストラリアのマードック子供研究所が、
第1子を出産した約1500人の女性を対象に、
産後3ヶ月、6ヶ月、18ヶ月、4年後に
産後うつに関する調査を行ったところ、
3割以上の女性が妊娠中から産後4年の間に
少なくとも1回はうつの症状が現れていたことがわかり、
さらに出産4年後にうつに陥る女性の割合は
14.5%にものぼり、
産後1年以内にうつになった女性の割合を上回ったんです。

今回の調査で、産後うつは1年以内ではなく、
むしろ4年前後の時が危険であることがわかりました。

日本でも産後うつに対する理解が広まってきて、
自治体をはじめとするサポート体制が整ってきていますが
そのサポートを出産後1年以内の母親に限定するのではなく、
もっと長期間にわたって
サポートする必要があるのかもしれませんね。

産後うつの予防に無痛分娩?

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産後うつは誰でもかかる可能性がある病気ですが、
産後うつにならないための基本的な予防策は、
周囲がしっかりと育児をサポートすることです。

赤ちゃんの父親はもちろんですが、
赤ちゃんの祖父母も育児に参加し、
母親の負担を少なくしてあげる必要があります。

また、自治体の利用できるサービスも
活用すると良いでしょう。

それ以外に、分娩方法でも
産後うつを予防できる可能性があるんです。

その分娩方法とは、無痛分娩です。

アメリカのノースウェスト大学が
無痛分娩での産後うつになった人の割合を調査したところ
硬膜外麻酔による無痛分娩をした女性の中で、
産後6週間以内に産後うつになった人は、
麻酔なしの通常分娩をした人よりも
14%少ないことがわかりました。

これは、無痛分娩によって母体の疲労が少ないことが
影響しているのではないかと考えられています。

通常分娩だと、長時間の痛みに耐えることで、
母体が疲労困憊の状態のまま
育児を行わなければいけませんが、
無痛分娩の場合はそれに比べて、
比較的母体が元気な状態で育児を始められます。

欧米では無痛分娩は一般的な分娩法ですが、
日本では「痛みに耐えないと母性が育たない」
などの理由で敬遠されがちです。

でも、出産の痛みと母性は
関連がないことがわかっていますので、
産後うつを予防するために、
無痛分娩を選択してみてはいかがでしょうか?





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2014年8月14日 | カテゴリー:妊娠・出産 子供の病気・健康

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