身体が小さくなったように感じる?不思議の国のアリス症候群について知りましょう。
不思議の国のアリス症候群とは?
不思議の国のアリス症候群という病気を知っていますか?
「不思議の国のアリス」にちなんだ病名なんて、
可愛らしいですよね。
不思議の国のアリス症候群はどんな病気なのでしょう。
不思議の国のアリス症候群は、
自分の身体が小さくなったように感じたり、
周囲のものが巨大化したように見えるようになる病気です。
小さな蚊が数十センチも大きくなったように見えたり、
自分が20~30センチになったように感じたりします。
この病名は児童文学「不思議の国のアリス」の中で
薬を飲んだアリスが大きくなったり
小さくなったりするエピソードに因んで、
イギリスの精神科医によって名づけられました。
「小さくなる」、「大きくなる」という感覚以外に、
時間の進みが速くなったり遅くなったりするように感じたり、
フワフワと空中に浮くような感覚になることも、
不思議の国のアリス症候群の症状の特徴です。
不思議の国のアリス症候群の原因は?
不思議の国のアリス症候群は、
高熱にうなされた時になることもありますが、
この場合は解熱すれば通常の感覚にすぐに戻りますよね。
高熱の原因が風邪やインフルエンザとわかっていて、
解熱後にすぐに治れば、特に心配は要りません。
ただ、不思議の国のアリス症候群の原因は
高熱だけではないんです。
片頭痛やてんかんの前兆症状として現れることもあります。
片頭痛やてんかんの発作が脳に機能的な変化をもたらして、
空間処理や視覚認知、論理能力などに
何らかの異常を与えているのではないかと考えられているんです。
また、離人症でも
不思議の国のアリス症候群の症状が現れるとされています。
離人症とは、世界が現実的に感じられなくなったり、
自分の腕を見てもそれを自分の身体の一部と
感じなくなったりする精神障害の1つです。
この離人症が重症化すると、
不思議の国のアリス症候群が現れることがあるんです。
片頭痛やてんかんの前兆症状として現れる場合でも、
離人症が原因で現れる場合でも、
専門的な治療が必要になりますので、神経内科や脳外科、
離人症は精神科を受診するようにしましょう。
また、これらの病気に当てはまらなくても、
脳腫瘍やウイルス感染などの可能性もありますので、
きちんと検査をするようにしてください。
不思議の国のアリス症候群の治療法
不思議の国のアリス症候群の治療法は、
基本的に薬物療法になります。
てんかんや片頭痛の発作の前兆症状として現れる場合は、
それぞれてんかんの発作を抑える薬、
片頭痛の発作を抑える薬が有効です。
離人症は軽度であれば
特に治療をしなくても治ることが多いのですが、
不思議の国のアリス症候群を発症するほど重症化すると、
カウンセリングなどの精神療法や
認知行動療法を行うことになります。
ただ、「これが有効!」という治療法は
現時点では確立されていません。
不思議の国のアリス症候群の症状に思い当たる点がある人は、
早めに医療機関を受診するようにしましょう。