健康のためには標高の高いところへ住むのが良いって本当ですか?
標高が高いと肥満を予防?
日本で標高が100m未満の場所は、
国土全体の4分の1しかありません。
でも、その国土の4分の1の場所に人口の80%である
約1億人が住んでいるとされています。
日本は標高が低い場所に人口が集中しているのですが、
これは標高が高いと平地が少なく、
生活も困難になるためですので当然の結果と言えるでしょう。
でも、実は標高が高いところに住むことは健康に良い
という調査結果がドンドン出てきているんです。
スペインのナバラ大学医学部の研究で、
標高456m以上の場所に住む人は
標高124m未満の場所に住む人に比べて、
肥満リスクが13%低いことがわかりました。
これは、標高が高いと低酸素状態になりますが、
低酸素状態になると食欲を抑制する
レプチンというホルモンの量が増えるためだと考えられています。
標高が高いと肺がんリスクが低下
標高が高いところに住んでいると、
肥満を予防できるだけではありません。
肺がんのリスクを低下させることもできるんです。
アメリカ西部の地域研究で、標高が1000m上がるごとに
肺がんのリスクが10万人当たり
7人以上減少することがわかりました。
標高が高くなると、酸素が少なくなります。
酸素は健康のために必要不可欠なものですが、
酸素を吸うと体内で有害な物質である活性酸素を
産生することになるんです。
活性酸素が多くなれば、がんのリスクが上がります。
標高が高いところに住むことで、活性酸素が少なくなり、
がんのリスクが下がるというわけです。
酸素は身体に良いものというイメージが強いですが、
活性酸素を生むというデメリットもあるんですね。
標高が高いと長寿
標高が高いことでの健康へのメリットの3つ目は、
長寿になることです。
世界的に長寿で有名な村には標高が高いところが多いんです。
世界三大長寿地域はエクアドルのビルカバンバ、
パキスタンのフンザ、旧ソ連のコーカサス地方です。
ビルカバンバは標高1700m、
パキスタンのフンザは標高2600mです。
コーカサス地方は基本的に低地ですが、
コーカサス山脈のすぐ近くなんです。
日本の長寿県である長野県も標高が高いですよね。
つまり、標高が高いと長寿なんです。
その理由には、標高が高いところは険しいところが多いので、
運動量が増え、足腰が鍛えられることや酸素が薄いので、
心肺機能が鍛えられることなどが考えられます。
私たちは、標高が低いところに住むのが
便利だし当たり前と思っていますが、
標高が高いところに住むメリットもあるんです。
今後、健康ブームがさらに加熱していったら、
健康のために標高が高いところへ移住する人が
出てくるかもしれませんね。