過呼吸にビニール袋や紙袋はNG?過呼吸の症状や原因、対処法を知りましょう。
過呼吸の症状は?
若い女性の中には、過呼吸持ちの人がいますよね。
過呼吸の正式名称は、過換気症候群と言います。
過換気症候群は、息苦しさ、呼吸のしにくさを感じて、
呼吸が速くなってしまう病気です。
実際は身体の中の酸素量は十分であり、
呼吸にも何の問題もないのですが、
本人は「息が苦しい」、「息ができない」、
「このまま死んでしまうのかも」という恐怖を抱き、
呼吸が速くなってしまうのです。
呼吸を早くすることで、
体内の二酸化炭素濃度が低下します。
二酸化炭素の濃度が必要以上に低下してしまうと、
呼吸性アルカローシスという状態になり、
血液がアルカリ性に傾きます。
そのため、過呼吸になると「息苦しい」、
「呼吸が速くなる」という症状以外に、
呼吸性アルカローシスになることでの症状が現れるのです。
呼吸性アルカローシスになると、血管が収縮しますので、
過呼吸が起こると頭痛やめまい、意識消失、
胸が締め付けられる感じ、動悸、頻脈、
吐き気などが起こるのです。
また、血液がアルカリ性になっているのを
補正してpHを下げるために、
血液中のカルシウムイオンが使われます。
カルシウムイオンの濃度が低下すると、
筋肉に異常が起こりますので、手足がしびれたり、
硬直したり、痙攣したりするのです。
過呼吸はなぜ起こる?
過呼吸はなぜ起こるのでしょうか?
過呼吸は呼吸が異常に速くなってしまう病気ですから、
呼吸器に異常が生じているのでは?
と思うかもしれませんが、
過呼吸の人を検査してみても、
呼吸器疾患は見つかりません。
過呼吸は精神疾患の1つなのです。
主に、精神的なストレスが原因とされています。
ストレスを抱えると、自律神経のバランスが乱れます。
そうすると、
自律神経が調整している呼吸中枢が刺激されて、
過呼吸になってしまうのです。
特に、睡眠不足や疲労の蓄積、風邪の時など、
体調不良の時には過呼吸が起こりやすくなります。
また、泣いたりマラソンをした後は、
呼吸が乱れ、速くなります。
それをきっかけにして、過呼吸が起こることもあります。
特に、泣く原因はストレスが関係している場合が多いので、
泣くたびに過呼吸発作が起こる人も少なくないのです。
過呼吸が起こった時の対処法
過呼吸が起こった時は、どうすれば良いのでしょう?
広く知られている対処法は紙袋やビニール袋を口に当てて、
自分の吐いた息をそのまま吸い込む
という対処法だと思います。
こうすると、二酸化炭素の濃度が高い空気を
吸い込むことになりますので、
体内の二酸化炭素の濃度が低下してしまうのを
防ぐことができますので、過呼吸が早く治まるのです。
ただ、現在ではこの対処法は危険が伴うとして、
あまり奨励されていません。
なぜなら、二酸化炭素の濃度を測定できないからです。
紙袋やビニール袋を口に当てて、長時間呼吸していると、
二酸化炭素を吸い込み過ぎて、
低酸素状態になる可能性があります。
そうすると、脳細胞がダメージを受ける可能性があるのです。
そのため、過呼吸が起こった時は
紙袋やビニール袋を口に当てるのではなく、
ろうそくの火を吹き消すように息をすると良いでしょう。
口をとがらせて息をすると、
息を吸う量、吐く量ともに少なくなり、
1回の呼吸がゆっくりになりますので、
過呼吸発作を抑えることができるのです。
口をとがらせて呼吸をする時は「ゆっくり、浅く」
を意識すると良いでしょう。
また、周囲の人は慌てず「大丈夫だよ」という姿勢で接すると、
過呼吸が早く治まると思います。