天才的な能力を持つサヴァン症候群について知りましょう。
サヴァン症候群ってどんな人?
あなたの周りに、特定のことだけが異常に上手だったり、
人並み外れた能力を持っている人はいませんか?
その人はサヴァン症候群かもしれません。
サヴァン症候群とは、1つの分野において、
天才的な能力を示します。
その分野においては、第一人者になり、
世界的に有名になることもあるほどです。
ただ、サヴァン症候群はいわゆる「天才」とは
決定的に違うことがあります。
サヴァン症候群の人は、
精神障害や知的障害を持っているのです。
そのため、サヴァン症候群の人は、
日常生活を送ることすらままならないことも多く、
誰かの手を借りたり、
介助を受けたりして生活しなければいけません。
ただ、ある特定の分野においては、
天才的な能力を示すのです。
また、サヴァン症候群の人は自閉症や学習障害などの
発達障害を合併していることが多いとされています。
サヴァン症候群の原因
サヴァン症候群を発症する原因は、
まだ解明されていません。
脳機能の異常であることはわかっています。
ただ、現在の研究では、
脳の一部に欠損があるために起こるのではないか
と言われています。
サヴァン症候群として世界的に有名なキム・ピークは、
小脳に障害を持ち、
脳梁が欠損していることがわかっています。
ただ、まだまだ解明されていないこと、
わからないことも多く、今後の研究によっては、
サヴァン症候群の原因がわかるようになるかもしれません。
サヴァン症候群の人の能力
サヴァン症候群の人は、ある特定分野において、
天才的な能力を発揮しますが、特定の分野は幅広く、
人によってどの分野が得意なのかは異なります。
有名なのは、カレンダーの能力ですね。
例えば、「1850年1月1日は何曜日?」とか
「2315年の4月1日は何曜日?」のような質問をすると、
ほとんどの人は全く答えられませんよね。
でも、カレンダーの能力を持ったサヴァン症候群の人は、
カレンダーを確認することなく、瞬時に計算して、
正確に答えることができるんです。
また、卓越した暗記能力を持っている
サヴァン症候群の人もいます。
先ほど紹介したキム・ピークがこれに当たります。
キム・ピークさんは、
「歩く百科事典」と呼ばれるほどの暗記力を持ち、
8000冊以上の本を正確に暗記していたそうです。
音楽に関して、優れた能力を持った人もいます。
一度聴いた曲を正確に再現することができたり、
今まで一度もレッスンを受けていないのに、
ピアノを上手に弾くことができたりします。
一度見た映像を鮮明に、正確に覚えていて、
それを絵に起こせる能力を持った
サヴァン症候群の人もいます。
日本の有名な画家である山下清氏は、
この能力を持ったサヴァン症候群だったのではないか
と言われています。
サヴァン症候群は、まだまだ謎が多いものの、
とても興味深い能力です。
今後の研究に期待したいですね。