太りやすいかどうかが分かる!簡単な呼気検査で肥満を予測できる研究はここまで進んでいる
吐く息で肥満の危険性が分かる方法が開発された!?
人間の体重って、いつどうなるか分からないものですよね。
特に欧米人は、若い頃は男女ともスリムなのに、
年齢を経ると樽のような体型になる人が多い。
これは、欧米人に限った事ではありませんが、
人間、自分がどれだけ将来肥満体になるかを分かっていれば
注意の仕方も変わりますよね。
実は、最近、簡単な呼気の検査で、
過体重になる可能性を予測できる事が新たな研究で提示されたのです。
消化管の細菌の過剰増殖から体脂肪率の高さを測定
その方法とは、体脂肪率の高さを測定するのと同じ方法でした。
では、体脂肪率の測定方法とはどんなものなのでしょう。
体脂肪率の測定は、消化管の細菌の過剰増殖を評価する
標準的な呼気検査の結果から割り出されますが、
これは、将来肥満体になるかどうかの場合においても
同じ検査により割り出されると言う事が示唆されたのです。
研究の筆頭者である米シダーズ・サイナイメディカルセンターの
Ruchi・Mathur氏は下記の研究をしました。
同氏の研究では、被験者にラツクロース・シロップを
飲んでもらった後で、
2時間に渡り15分ごとに呼気サンプルを採取します。
これは2つの検査方法、
ボディ・マス・インダックスと電気伝導度において実験されました。
難しい検査の基準は省きますが、この結果によると、
呼気中のメタンガスと水素の値が高かった被験者の数値を調べると、
呼気が正常か、一方の値のみが高かった被験者に比較して、
BMI、体脂肪率が高い事が分かったそうです。
腸内の細菌の量が太りやすいかどうかを決定している?
この呼気パターンは、腸内にメタン菌の一つ
メタノブレビバクタ・スミシイが多い事を示しているようです。
簡単に言うと、このメタン菌が増えると
体重が増加し脂肪が蓄積される可能性があるとしています。
呼気の中のメタン菌の量で、体重がどれくらい
増加するかがわかるならば、色々な事が分かりそうですよね。
太りやすいかだけでなく、痩せ方も分かる?
また、この検査方法ならば、ただ太りやすいというだけではなく、
呼気のタイプで効果のあるダイエット法も同時に分かるといいます。
例えば、呼気中のメタン、および水素が多い人は、
腸内細菌の自然バランスを修復維持する
プロバイオティクスが肥満に有効だそうです。
この研究がさらに進んでいくならば、
ただ太りやすい、痩せやすいではなく、
最適な減量法も分かるかも知れません。
肥満に悩む人は、自分に最適なダイエットを探し、
失敗を繰り返している場合も多いですから、今後の研究が待たれます。
まだ、完全ではない呼気による肥満の予想
一方で、この方法には、疑問を差し挟む研究者もいます。
米レノックス・ヒル病院のSpyros Mezitis氏は、
今回の研究の重要性を認める一方で、疑問を呈しています。
細菌が肥満の蔓延にどう関わっているか、
また細菌を変化させたらどうなるかを明らかにするには、
更なる研究が必要と言っています。
米コロンビア大学メディカルセンターのPeter Green氏は、
「肥満の治療として、プロバイオティクスを検討するのは、時期尚早」
と、もう少し厳しい意見を出しています。
また、Green氏は、自身も日常的に呼気検査を使って
消化管障害の患者のデータを取っている事を引きあいに出し、
「細菌の過剰増殖があっても、症状のある人も無い人も
ある検査結果の有意性は必ずしも明確ではない」
とも疑問を挟んでいます。
このように、今回の呼気により肥満を予想するシステムは、
医療機関の従事者によっては、評価が分かれています。
この研究は、まだ着手し始めたばかりであり、
更にデータを補強していく事で、
よりデータに確実性がもたらされるでしょう。
今後の研究に期待しましょう。