カロリーを気にしなくても痩せられる糖質制限ダイエット。そのメカニズムと危険性を知ろう。
糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエットとは、米やパスタ、パン、ジャガイモなど
炭水化物を食べずに、肉や魚、野菜類、チーズなどを
食べるダイエット法です。
もともと、糖質制限ダイエットは、
糖尿病患者さんが減量するために考案されました。
糖質制限ダイエットの特徴は、
普通のダイエットには欠かすことのできないカロリー計算を
しなくて良いということです。
普通のダイエットだったら、
1日何キロカロリーまでと計算して、
おなかいっぱい食べられず、
ストレスが溜まっていきますよね。
でも、糖質制限ダイエットなら、炭水化物や糖質を抜けば
その他の食材はおなかいっぱい食べることができるので、
ダイエット中に感じるストレスも少なくて済むんです。
糖質制限ダイエットのメカニズム
糖質制限ダイエットは、カロリー計算をしないのに、
なぜ痩せるのでしょう?
いくら炭水化物や糖質を徹底的にカットしても、
その分たんぱく質や脂質を食べていたら、
痩せそうにないですよね。
糖質制限ダイエットで痩せる秘密は、インスリンです。
インスリンとは、
すい臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンの一種で
血糖値を下げる効果があります。
体内に糖分が取り込まれると、血糖値を一定に保つため
このインスリンが分泌されます。
糖尿病は、
インスリンが多量に分泌される期間が長く続いたため、
インスリンの働きが悪くなってしまった状態です。
インスリンが血糖値を下げるメカニズムは、
血液内の余分な糖分を中性脂肪に変えて、
血管外に追い出して、血糖値を下げています。
追い出された中性脂肪は、
皮下脂肪となり蓄積されます。
つまり、インスリンが糖分を皮下脂肪に変えているんです。
では、インスリンを分泌させないようにするためには、
どうしたら良いのでしょう?
それは、体内に糖分を取り入れないようにすれば良いのです。
糖分=糖質を食べなければ、インスリンの分泌量が減り、
脂肪が蓄積されにくくなるというわけです。
糖質制限ダイエットは危険?
カロリー制限なく痩せられるという
糖質制限ダイエットですが、
その危険性も知っておく必要があります。
2013年3月に日本糖尿病学会は、
糖質を制限することについて
「極端に制限して、減量を図ることは、
科学的根拠が不足しており、現時点では勧められない」
と提言しています。
糖質を制限すると、
自動的にたんぱく質や脂質を多く取ることになります。
たんぱく質を多量に摂取すると、
腎臓に負担をかけることになり、
腎不全を招く恐れがありますし、脂質を多く摂取すると
脂質異常症(高脂血症)となり、動脈硬化が促進され、
心筋梗塞や脳卒中になる確率が高まります。
確かに糖質制限ダイエットは、カロリー制限がないので
魅力的なダイエットです。
でも、健康を害する可能性があることを
認識しておく必要があります。
糖質を取りすぎると、インスリンの働きにより、
皮下脂肪が増えることは間違いありませんので、
健康を考えるなら、ダイエット効果は低下しますが、
「糖質を完全にカットするのではなく、控えめにする」
程度にしておいたほうが良さそうですね。