心筋梗塞の治療開始のタイムリミットは、わずか1時間!心筋梗塞の予防法を知りましょう。
心筋梗塞とは
心筋梗塞は、心臓病の代表的なものです。
心臓病といえば、日本人の死因第2位の病気であり、
心筋梗塞の患者数は、その前段階ともいえる
狭心症と合わせると80万人以上もいます。
心筋梗塞は、心臓の冠動脈が詰まってしまい、
血流が無くなる病気です。
心臓の冠動脈は、心臓を動かす筋肉(心筋)に
酸素や栄養分を与える役割をしていますので、
冠動脈が詰まり、血流が途絶えてしまうと、
心筋は壊死して、心臓が動かなくなってしまい、
死に至ります。
心筋梗塞の主な原因は、動脈硬化です。
動脈硬化が進み、
動脈壁に粥状の脂肪分(プラーク)が張り付くと、
動脈がどんどん狭くなり、詰まってしまったり、
プラークが破裂することで、血栓ができ、
それが冠動脈に入り込んで詰まらせることもあります。
心筋梗塞は、早めの治療が不可欠
心筋梗塞の症状は、
強い胸の痛みや呼吸困難感、冷や汗などです。
放散痛といって、
背部や肩にも痛みが広がる場合もあります。
この心筋梗塞の症状は、
15分以上続くことが特徴ですので、
強い胸の痛みが15分以上続いたら、
救急車を呼んだほうが良いと言われています。
しかし、心筋梗塞での生存率や後遺症の有無は、
いかに早く適切な治療を開始できるかが
重要なポイントになっています。
国立循環器病研究センターの安田医師よると、
血流再開まで1時間以内なら、
ほとんど後遺症は残らないとのことです。
そのため、以前から動脈硬化や狭心症を
指摘されていた人や「死ぬかもしれない」と
不安に思うほどの胸の痛みを感じたら、
救急車を呼んで、病院へ向かったほうが良いでしょう。
再発防止には、心臓リハビリ
心筋梗塞の治療は、
まず閉塞部で風船を膨らませて血管を広げた後、
ステントという金属の筒を閉塞部に入れて、
血管が再び詰まらないようにします。
この治療法で、閉塞した血管は再び広がりますが、
心筋梗塞の原因である動脈硬化を
治療できたわけではありませんので、
再発の危険性があります。
最近、心筋梗塞の再発防止として
注目を集めているのが心臓リハビリです。
心臓リハビリとは、心筋梗塞の治療後、
医師の指導や監視下で運動療法を取り入れることです。
欧米の研究によると、
手術後に心臓リハビリをすることで、
死亡リスクが2割減少するそうですし、
日本でも心臓リハビリを取り入れることで、
2年以内の再入院率が半減したとのことです。
心筋梗塞の予防法
心臓リハビリは再発予防法ですが、
心筋梗塞を予防するためには、
動脈硬化の予防が最も重要になります。
心筋梗塞の発症因子には、喫煙や異常脂質症、
高血圧、糖尿病、などが挙げられます。
これらの発症因子は、
全て動脈硬化を促進させるものです。
以前は、心筋梗塞は高齢者の病気でしたが、
最近は生活習慣の乱れから若い人でも
動脈硬化が進んでいて、
20~30代で心筋梗塞を起こす人も出てきています。
心筋梗塞を予防するには、動脈硬化を予防すること。
動脈硬化を予防するには、生活習慣病を予防すること。
生活習慣病を予防するには、
健康的で規則正しい生活を送る必要があります。
自分はまだ若いから大丈夫と思わずに、
若いうちから生活習慣病予防を意識した
健康的な生活を送るようにしましょう。