飲酒後に嘔吐を我慢して、食道が破裂!特発性食道破裂とは?
ビール一気飲み後に食道破裂?
中国の南京市内の病院で、食道が爆発して搬送された男性が
緊急手術で一命を取りとめたというケースがありました。
この男性は、お酒が飲めない体質でしたが、
友人と会食した際に、バカにされるのが嫌で
ビールの小瓶2本を一気飲みした後、嘔吐を我慢していたら
腹部に激痛を感じて、病院に搬送されたそうです。
緊急手術を行った医師によると、開腹した途端に、
酸味を帯びた臭気が立ち上り、食道が爆発したことによって
胃の内容物が腹腔内全体に食べたものが
飛び散った状態だったとのことです。
特発性食道破裂とは?
上記のニュースは、
嘔吐を我慢したことによる食道破裂が原因です。
この食道破裂を「特発性食道破裂」と言います。
また、別名「ブールハヴィー症候群」とも
呼ばれています。
この特発性食道破裂の主な原因は、
飲酒後に嘔吐を我慢したことによって、
食道の内圧が一気に高まり、
その圧力に食道が耐えられず、
食道の全層が大きく裂けてしまうことです。
特発性食道破裂の特徴は、
何の病変もない健康な食道が破裂してしまうことで
裂ける部位は食道下部の左側や食道中部の
右側であることが多いようです。
特発性食道破裂の症状は、
嘔吐したくなる「嘔吐反射」が現れた後、
突然胸痛や上腹部痛が現れます。
そして、胸が締め付けられるように苦しくなったり、
呼吸困難感や冷や汗が出て、ショック状態となります。
特発性食道破裂の治療と予防
特発性食道破裂は、
致死率が10~20%と非常に高い病気です。
これは、食道が破裂してしまったことだけでも重症なのに
胃の内容物が、食道から噴出して、
腹腔内に飛び散ってしまい、膿胸や縦隔炎、
腹膜炎などの感染症を引き起こし、
敗血症になる危険が高いからです。
そのため、飲酒の後に嘔吐を我慢したり、
大量に嘔吐した後、激しい胸痛や上腹部痛を感じたら、
すぐに病院に行き、治療を受けなければいけません。
特発性食道破裂の治療は、
まず胸部レントゲンやCT検査をします。
その結果、特発性食道破裂が認められたら、
直ちに手術を行い、飛び散った胃の内容物を
きれいに洗浄した後、食道の縫合を行い、
手術後もドレーン(管)から、
持続的に胃の内容物を吸引する必要があります。
特発性食道破裂の予防法は、飲酒は適量を守ることです。
嘔吐するまでお酒を飲んだり、
体調が悪いにも関わらず飲酒すると、
特発性食道破裂のリスクは高まります。
上記ニュースの中国人男性は、お酒が飲めない体質だったのに
ビールを一気飲みして、さらに嘔吐を我慢してしまったために
特発性食道破裂を起こしてしまいました。
夏はビールの美味しい季節ですが、
飲み過ぎてしまう人は要注意です。
自分の体調と飲酒量を考慮して、
ビールやお酒を楽しみましょう。