天気や季節の変わり目が病気の原因!「気象病」って何でしょう?
雨が降ると、古傷が痛む?
梅雨の時期や雨の日、季節の変わり目などに、
「学生時代の部活で怪我をした膝が痛くなる」、
「腰痛が悪化する」、「頭が痛くなる」
などの症状が出る人がいます。
これは、気圧や湿度、気温などが原因です。
この気圧や湿度、気温が原因で、
症状が出る病気のことを「気象病」と呼んでいます。
気象病のメカニズムは、気圧が変化すると、
身体にむくみが生じ、
むくんだ部分が神経を圧迫して痛みが出たり、
血行が悪くなることで、
身体に様々な症状が出ると考えられています。
気象病は気のせいではありません
気象病は、その人の「気のせい」と思われがちですが
そんなことはありません。
名古屋大学の研究で、病気と天候の関係が
科学的にも明らかになってきています。
名古屋大学にある気圧や気温を自由に設定できる施設で、
手や腕に痺れと痛みが残る患者さんを対象に実験すると、
気圧を下げ始めると指の痛みが増し、
気圧を戻すと痛みは和らいだそうです。
また頭痛に関しては、気圧を下げると痛みが強まり、
気圧を戻しても痛みは残ったまま
という結果が得られました。
また、人間だけでなく坐骨神経損傷や関節炎になった
マウスを使って同じような実験をしたところ、
気圧が下がると、痛みで脚を持ち上げる回数が増え、
心拍数と血圧が10%上昇し、
ストレスが原因で放出されるノルアドレナリンの
分泌量が増えたそうです。
交感神経を切ったマウスを使った場合は、
気圧が変化しても、何の変化も見られなかっため、
気圧や気温と病気の関係には、
交感神経が大きく影響していることがわかりました。
気象病の種類
気象病には、様々なものがあります。
代表的なものは、古傷の膝や腰の痛みが増したり、
頭痛が出たりなどですが、関節リウマチや気管支喘息、
めまいや立ちくらみ、狭心症、心筋梗塞、
血圧の変動、脳卒中、神経痛、尿路結石、
胆石なども天候により、悪化することがあります。
また身体的な症状だけでなく、抑うつ症状や不眠、
倦怠感など精神的な症状が出る人もいますので、
気象病といっても、多種多様なんです。
気象病の予防法は?
気象病は、生活習慣を見直すことで、
予防したり、症状を軽くすることは可能です。
「生活習慣を見直す=健康的な生活を送る」ことです。
規則正しい生活を心がけ、適度な運動をし、
ヘルシーで栄養豊富な食事を取るようにしましょう。
また、過度の飲酒や喫煙も禁物です。
生活習慣病の予防は、生活習慣病だけでなく
全ての病気の予防につながるということですね。
梅雨の時期や季節の変わり目は、
血圧の変動により脳卒中や心筋梗塞を
起こしやすい時期です。
日頃の生活習慣から、予防を心がけ、
病気の発症のリスクを下げる工夫をしましょう。