アトピー性皮膚炎患者に多く見られる若年性白内障。進行が速く、発病1週間で見えなくなってしまうことも
若い世代の白内障が増えている
白内障と言えばお年寄りの病気というイメージですが、
年齢別の発生率を見ると45歳~49歳では5人に1人、
50歳~54歳では4人に1人という
高い発生率になっています。
さらに、最近では若年化が進み、
20代30代にも見られるようになってきました。
白内障の原因のほとんどは加齢により
水晶体が白く濁ってくることです。
皮膚にシワができるのと同じように、個人差はありますが
ほぼ全ての人に起こる老化現象です。
では、若年層の白内障は、
何が原因で起こるのでしょうか。
外傷や疾患が原因、遺伝性の場合も
若年性白内障は「併発性白内障」とも言われ、
何か別の病気や外傷があって、
二次的に起きる病気です。
その原因は様々で、目に受けた外傷や紫外線の照射、
網膜剥離、ぶどう膜炎などの疾患、糖尿病、
薬の影響などが挙げられます。
遺伝性のものもあり、
また、アトピー性皮膚炎の患者に多いとされます。
老人性の白内障は、
水晶体の周辺部からゆっくりと濁りが進んで行きますので
最初のうちは自覚症状がありません。
しかし若年性の場合、
水晶体がにごっていくスピードがとても速く、
おかしいなと思った時には
全体的に白濁しているケースが多いのです。
その進行の速さのため、
網膜剥離を合併することもあり、
早急な治療が必要です。
アトピー性皮膚炎患者は特に注意を
アトピー性皮膚炎の患者に白内障が多い原因は、
二つあると見られています。
まず第一に、アトピー性皮膚炎の症状は
目の周りの柔らかい皮膚に出やすく、
掻いたり叩いたりしてしまい、
眼球に継続的に刺激を与えていること。
そしてもう一つは、アトピー性皮膚炎そのものが
原因になるというものです。
水晶体は、皮膚と同じ「外肺葉」という
組織でできているので、
皮膚炎と同じように水晶体にも炎症が起きるのです。
早期発見・早期治療が肝要
先にも述べたように、若年性の白内障は進行が速く、
発病して1週間ほどで
何も見えなくなってしまうことも稀ではありません。
網膜剥離を併発してしまえば、
治療も非常に困難になります。
そうなる前に、急激な視力低下を自覚したり、
やけに光がまぶしく感じるといった異変があった時には
すぐに眼科を受診しましょう。
失われた視力も、手術を受ければある程度は回復します。
白内障の手術自体は比較的簡単で、
日帰り手術も可能です。