体内時計のメカニズムと時差ぼけの解消法を知りましょう。体内時計を現地時間に合わせる事がポイントです
体内時計を止めれば、時差ぼけ解消?
海外旅行に行くと時差がありますので、
不眠になったり、逆に寝すぎてしまったり等
時差ぼけになりますよね。
時差ぼけが治るには、長時間かかる場合がありますが、
京都大学の薬学研究科の研究チームによると、
脳内物質の「バソプレシン」に注目し、
脳内の体内時計の機能を一部止めることで
時差ぼけを解消させることに成功したとのことです。
バソプレシンは、脳の底部で全身の体内時計に関わる
神経細胞間の伝達物質ですが、
バソプレシンの受け手側の受容体の機能を
遺伝子操作で失わせたマウスで、
人工的に時差ぼけの状態を作り出して実験したところ、
バソプレシンが働かないマウスは、
実験の翌日から時差ぼけが解消されましたが、
普通のマウスは時差ぼけ解消までに
10日間かかったとのことです。
研究グループは、バソプレシン受容体の機能を阻害する
化学物質を投与することで、
マウスの時差ぼけを軽減することにも成功しています。
研究チームは、
「人にもマウスと同様の仕組みがあると想定される。
時差ぼけの治療薬開発につながるのではないか。」
と話しています。
なぜ時差ぼけが起こるのか
人間には、概日リズム(サーカディアンリズム)が
備わっていますので、体温やホルモン分泌等身体の
基本的な機能は約24時間のリズムで動いています。
この概日リズムの形成に大きく関わっているのは、
光の明暗です。
しかし、飛行機での移動など短時間のうちに
2つのタイムゾーンを移動した場合、
体内で作られていた24時間のリズムと
光の明暗にズレが生じてしまうため、
概日リズムが崩れてしまい、時差ぼけになってしまうのです。
時差ぼけの度合いには個人差がありますが、
時差ぼけの主な症状として不眠や寝過ぎなどの睡眠障害
昼夜逆転、倦怠感、疲労感、胃腸障害、
頭痛等があります。
時差ぼけの解消法
せっかく海外旅行に行っても、
時差ぼけが長引いてしまったら、
旅行を十分に楽しむことができず、もったいないですよね。
上記の実験では、バソプレシンの働きを阻害すれば、
時差ぼけを解消できますが、まだマウス実験段階です。
では、どうやって時差ぼけを解消したら良いのでしょう?
時差ぼけ解消法の基本は、
できるだけ早く体内時計を現地時間に合わせることです。
飛行機の中では、できるだけ現地時間に合わせて
睡眠を取るようにしましょう。
出発の2~3日前から、
できるだけ現地時間を考慮して過ごすと、良いですよ。
飛行機内で、日本時間に合わせて眠ってしまうと、
現地に到着した時に辛くなります。
また現地についたら、少し眠くても、
無理のない範囲で現地時間に合わせて
行動するようにして下さい。
眠いからといって、昼間からホテルで熟睡してしまうと、
時差ぼけが悪化してしまいます。
上手に時差ぼけを解消して、
海外旅行を満喫するようにしましょう。