咳で肋骨骨折?長引く咳で胸の痛みがある時は、肋骨が疲労骨折を起こしているかもしれません。
冬は喘息が起こりやすい季節
喘息は、慢性的に気道に炎症が起こっていて、
何らかの刺激によって辛い咳や痰が出たり、
炎症反応で気道が細くなることで、
息苦しさなどの症状が出る病気です。
冬は、喘息発作が起こりやすいので注意が必要です。
喘息発作を起こすきっかけは「風邪」が最も多いのですが、
そのほかに埃やカビ、運動、花粉、
喫煙、飲酒、ストレスなど様々ですが、
「冷たい空気」や「乾燥した空気」も
喘息発作を引き起こす大きな要因のひとつなのです。
そのため、冬の喘息予防のためには、
冬の室内は暖房で暖かくしておくだけでなく、
加湿器などで適度な湿度を保つ必要があります。
咳が原因で肋骨骨折?
喘息などしつこく長引く咳が原因で、
肋骨骨折を起こすことがあるってご存知ですか?
咳で肋骨骨折なんて大げさと思うかもしれませんね。
咳をすると、少なからず肋骨や肋軟骨に負荷がかかります。
何度も何度も長期間にわたってその負荷が繰り返されると、
疲労骨折を起こすようになるのです。
特に肋骨は、骨の中でも強度が強くありませんので、
疲労骨折を起こしやすい骨と言えます。
肋骨が疲労骨折を起こすと、
咳き込むたびに胸に強い痛みを感じるようになります。
ただでさえ、長引く咳で苦痛なのに、
咳き込むたびに胸の痛みを感じるようになるのは、
身体的にも精神的にも辛いですよね。
肋骨骨折の検査と治療
咳で肋骨骨折しているかどうかは、
検査してみないとわかりません。
肋骨骨折しているかどうかの検査は、
通常胸部レントゲンですぐにわかりますが、
咳による疲労骨折の場合、
骨折部位によってはレントゲンではわかりにくく、
診断が難しい場合があります。
施設によっては、診断を確定させるために
骨シンチグラフィーという検査を行うこともありますが、
レントゲンで診断できなくても、
症状から肋骨の疲労骨折が疑われる場合は、
バストバンドやコルセットなどで固定したり、
鎮痛剤を服用することで痛みを軽減し、
そのまま安静を保ちながら経過観察を行います。
咳の治療が最優先
咳で肋骨骨折をした場合、
骨折を治療することも大切ですが、
何より咳を治療しないと咳による肋骨への負荷が
軽減されませんので、骨折もよくなりません。
そのため、咳が長引く場合は、医療機関を受診して、
咳を治療するようにしましょう。
特に喘息発作による咳を放っておくと、
肋骨骨折の危険があるだけでなく、喘息自体も悪化し、
大発作が起こって入院、場合によっては
ICUで人工呼吸器をつけて治療しなければならないほど
重症化するリスクもあります。
そのため、長引く咳は早めに治療して、
症状の悪化を防ぎましょう。
そうすることで、肋骨の疲労骨折も予防することができます。
たかが咳と思わず、しっかり治療してくださいね。