年間を通して報告されている「ノロウイルス」による下痢の対処法を知りましょう。
ノロウイルスの流行は年末年始だけじゃない
ノロウイルスの流行のピークは、12月から1月にかけて、
特に年末年始に集中することが多いのですが、
年末年始にノロウイルスに感染しなかったからといって、
安心してはいけません。
ノロウイルスの流行は2月まで続きますし、
ノロウイルスによる食中毒は
年間を通して報告されています。
ノロウイルスの怖いところは、
感染力が非常に強いという点です。
静岡県浜松市では、学校給食のパンが
ノロウイルスに汚染されていたため、
1月17日時点でノロウイルスによる欠席児童は
1100人以上になり、
小学校や幼稚園の閉鎖は17校にも上っています。
ノロウイルスというと、
生牡蠣やその他生ものから感染する
というイメージが強いので、
パンからも感染するという事実に
驚いた方も多いと思います。
ノロウイルスは、1年中ありとあらゆる食品に対して
注意が必要なんですね。
下痢止めは使って良いのか?
ノロウイルスによる症状といえば、下痢ですよね。
ノロウイルスが原因の下痢は、
1日に10回以上というひどい下痢になり、
1日中トイレに閉じこもるということも
珍しくありません。
そんなひどい下痢の時に、思わず使いたくなるのが、
市販の下痢止め薬ですよね。
でも、ノロウイルスによる下痢の場合は、
下痢止め薬の使用はおすすめできません。
ノロウイルスでの下痢は、
ノロウイルスからの出される毒素が原因で、
腸の蠕動運動と腸管からの粘液の分泌が
過剰になるために起こります。
ただ、これはノロウイルスとその毒素を
体外へ排出しようとする身体の反応ですので、
薬の力で強制的に下痢を止めてしまうと、
ノロウイルスが体内に留まる時間が長くなるため、
症状が長引き、回復に時間がかかります。
そのため、ノロウイルスによる下痢の場合は、
頻回の下痢が辛いと思いますが、
下痢止め薬を使わないようにしましょう。
もちろん、ノロウイルスのような
感染症による下痢ではなく、
ストレスによる下痢の場合は
下痢止め薬を使ってよいですし、
その他の病気による下痢の場合は、
医師に相談してから使うようにしましょう。
子供の水分補給方法
子供がノロウイルスで下痢になると、
怖いのが脱水症状です。
子供は、大人と比べて脱水になりやすいので、
注意が必要です。
子供が下痢になった場合の水分補給のポイントは
「電解質を含んでいるもの」を
「常温もしくは温かいもの」で
「少しずつ」飲ませることです。
下痢になると、水分だけでなくナトリウムも
一緒に排出されてしまいますので、
体内の電解質バランスが崩れてしまいます。
そのため、子供用のイオン飲料や野菜スープなどを
飲ませるようにしましょう。
また冷蔵庫に入っているような冷たい飲み物は、
胃腸に負担を与え、
下痢を悪化させてしまいますので、
常温や温かい温度の飲み物を飲ませてください。
最後に、飲む量です。下痢になると、
「水分補給を!」と思って、
とにかくたくさんの水分を飲ませようと
するかもしれませんが、
下痢の時に一度にたくさんの水分を飲ませると、
その水分が胃腸を刺激して、体内に吸収されることなく、
全て下痢となってしまいます。
そのため、スプーン1杯程度でも良いので、
少しずつ時間をかけて飲ませると良いでしょう。
これらの水分補給ポイントを守って、
子供を脱水から守りましょう。